朝日は「与野党ともに敗北を喫した」と指摘する
7月24日付の朝日新聞の社説は「与野党ともに敗北を喫した。そう言われても仕方あるまい」と投票率の低さを指摘する。
「48.80%。今回の参院選の投票率は5割を切り、1995年の44.52%に次ぐ、戦後2番目の低さとなった」
「候補者すべての得票の合計を棄権が上回ったことになる。議会が民意を正当に反映しているか疑われかねない」
「戦後2番目の低さ」「得票の合計を棄権が上回る」というのは、国民が政治に期待していない表れなのか。それとも安倍政権を見限っているのだろうか。
安倍政権嫌いの朝日社説は「自民党は選挙区の改選数74のうち5割にあたる38議席を獲得した。しかし、棄権した人を含む有権者全体に対する絶対得票率は2割を切っている」と指摘し、こう主張する。
「安倍首相は『国民の皆さまからの力強い信任をいただいた』と胸を張るが、与党、野党の別なく、代議制民主主義の基盤を掘り崩す深刻な事態と受け止めるべきだ」
いまの国会は民意を反映しているとはいえない。民主主義の在り方が問われている。
低投票率には「民主党の失敗」が尾を引いている
朝日社説はさらにこう書いている。
「投票しても政治は変わらない。投票したい候補者や政党がない。そもそも、政治に関心がない……。棄権の理由はさまざまだろう。なかには、現状維持でいいので、わざわざ投票に行くまでもないと判断した人もいるかもしれない」
「まず問われるべきは、有権者を引きつけることができなかった政党、政治家の責任だ」
「政党と政治家の責任を問うべし」という主張には賛成である。そもそも自民・公明という与党に、野党が太刀打ちできないところに大きな問題がある。それが分かっているから投票に行かない有権者が多いのだろう。
もっと言えば、自民勢力を抑えて政権を握ったあの民主党の失敗が尾を引いていると思う。民主党政権が誕生したとき、沙鴎一歩はアメリカのような2大政党が政策を競い合うことを期待した。だが、その期待はあえなく崩れ去ってしまった。