与党に反対するだけでは、国民の支持は得られない
「『安倍1強』のもと、多様な民意に向き合おうとしない強引な政権運営が続いていることと無縁ではないだろう」
「強引な政権運営」という書き方は、安倍首相を嫌う朝日社説らしい。ただし、安倍政権を擁護してきた読売社説も「長期政権ゆえの慢心や驕りに有権者は厳しい視線を注いでいる」と戒めている。そのことを安倍首相はしっかりと心に留めるべきである。
「今回の参院選にあたっても、国会の論戦を回避し、『老後2千万円報告書』など不都合な現実にはふたをした。『安定か、混乱か』と、6年以上前の民主党政権をあげつらい、重要な政策課題について国民に問いかける姿勢は乏しかった」
選挙戦で重要な政策課題について訴えなかったから投票率が低くなった、というのが朝日社説の論理だろう。それもある。ただ、最大の問題は野党の力不足だろう。全国32の1人区すべてに統一候補を立てたが、明確な争点をアピールできなかった。朝日社説は「より多くの有権者を糾合するうねりは起こせなかった」と指摘している。
沙鴎一歩は実力のある2つの大きな政党が交互に政権を握って国を動かす。そんな2大政党による国家運営を望んでいる。そのためには、いまの野党では力不足だ。
遅くとも2021年秋までには必ず衆院選がある。与党に反対するだけでは、国民の支持は得られない。いまの野党は安倍政権を攻撃するだけでなく、次の選挙に備えて魅力的な政策を準備するべきだろう。