「日本政府がカタールやトルコに『借り』か」
「週刊新潮」(11/8号)のタイトルは「『安田純平さん』手放しでは喜べない『3億円』の裏情報」。それによると、身代金については、「在英国の人権団体からは、カタールの政府が約3億円の身代金を払ったとの情報も出ている。事実だとすると、それは『肩代わり』であり、いずれ日本政府が何らかの形で『弁済』しなければなりません」(大手メディア外信部デスク)との指摘があるという。
一方で、政府の「国際テロ情報収集ユニット」という組織が動いたという見方もある。このユニットは、15年に発足し定員は80名ほど。外務省、防衛省、警察庁、内閣情報調査室などから集められたメンバーで構成されていて、外務省内に設置されているが、全員が内閣官房兼任で、総理・官房長官直結の組織だと、公共政策調査会の板橋功研究センター長が解説している。
安田氏救出のためにカタールやトルコの情報機関と信頼関係を築き、シリアの反政府組織と交渉してもらったというのである。そうなると、身代金を払っていなくとも「日本政府がカタールやトルコに『借り』を作ってしまった」(板橋氏)ため、これからの日本外交に少なからぬ影響を与えると見ている。
「そりゃ、政府は危ないところには行くなと言う」
国と国とが、過激派に拘束されている人間を救うのに協力することが、なぜ、貸し借りと考えなくてはいけないのか。私には解せない。「新潮」でジャーナリストの徳岡孝夫氏も、こういっている。
「大手メディアの記者はシリアのような危険地帯に行こうとしない。そこにフリーのジャーナリストが入って真実を報じようとするのは当たり前です。そりゃ、政府は危ないところには行くなと言うでしょう。でも、ジャーナリストとはそういうところに行くものです」
福島第一原発事故のとき、真っ先に福島から逃げ出したのは大手メディアの人間たちだった。
昭恵夫人「何もできませんが、お祈りしています」
「週刊文春」(11/9号)は「スピリチュアル歌手妻(49)の猛アタックに陥落した安田純平さん(44)の自己責任」とタイトルを打ち、奥さん・深結(みゆう)さんを取り上げている。
彼女は有名なポップスシンガーで、出雲大社に20年前に魅せられ、13年には60年に一度の「出雲大社平成の大遷宮」の奉祝コンサートで、その美声を響かせ、島根県の親善大使・出雲観光大使も務めているそうだ。
スピリチュアルの縁もあるのだろう、あの安倍昭恵夫人とも昵懇で、深結さんが出した本でも対談している。今回、ジャーナリストの常岡浩介氏が「昭恵さんに相談してみたら」と提案したら、昭恵夫人から「何もできませんが、お祈りしています」という返事だけが来たそうである。