どうすれば英語は上達するか。英会話講師で『カタカナ英会話』(学研)を書いた翻訳家の甲斐ナオミさんは「日本人はネイティブの発音を習っていないため、聞き取ることができず、話しても伝わらないため、苦手意識を持っている。日本人は学校教育のなかで文法や語彙はしっかり学んでいるので、ネイティブ発音が聞き取れるようになれば、みるみる上達していく」という――。
日本人の英語の課題はネイティブ発音を学んでいないこと
2023年の英語能力指数ランキングは2022年の80位から7ランクダウンし、87位という結果が出ています。多くの日本人は英語に対して強い苦手意識を持っていますが、実際にデータからも日本人の英語能力の低さが示されています。
コロナが明けて、再び訪日外国人数が増えたり英語教育の推進などの理由により、日本人が外国人と交流したり英語の学習の機会が増えたりしているはずですが、英語能力指数のランキングが下がっています。
この話題になると、大抵、アウトプットが圧倒的に足りないと言われます。もちろんそれも一理ありますが、そもそも聞き取れないことはしゃべれないのです。赤ちゃんもお母さんが言っていることを聞き取れるようになってから発語します。
学校でもリスニングの勉強はしますが、先生自身がほとんどの場合、ネイティブの英語発音を身に付けておらず、日本語訛りの英語で授業を進めます。そのため、誤った発音を覚えてしまい、ネイティブの英語が聞き取れないし話すことも苦手……という結果となります(参考記事)。
しかし、諦める必要はありません。実は日本人は発音さえ学び直せば、6年間の学校教育の中で単語や文法をしっかりマスターしているので、急に話せるようになるのです。もちろん、大人になってから完璧なネイティブの発音を身に付けるのは難しい(不可能ではない)かもしれませんが、カタカナのみでネイティブの発音に十分近づける方法があります。それがネイティブの発音を聞こえるままにカタカナにして読む「カタカナ発音法」です。
たとえば、
Got it!→ガレ!
Thank you.→フェンキュ
Help me.→ヘォッミ
I don’t know.→アロンノウ
I need a taxi.→アニーラ タークスィ
Don’t drink that.→ドン ジュインッ ダッ
Thank you.→フェンキュ
Help me.→ヘォッミ
I don’t know.→アロンノウ
I need a taxi.→アニーラ タークスィ
Don’t drink that.→ドン ジュインッ ダッ
※太字はアクセントをつける個所
という具合です。