「英語耳」をつくるのにオススメのドラマ3選

ネイティブがしゃべるときの発音の癖を理解し、それを最も近いカタカナに置き換えると、難しい「r」や「th」が完璧にできなくてもネイティブっぽい発音を再現することができます。

ネイティブの発音方法を知って「ネイティブ・カタカナ」に慣れると、だんだん「聞き取り」もできるようになります。

今はNetflixやAmazon Primeなどのサービスを利用すると動画を好きなだけ視聴できることができます。しかし、ネイティブの発音方法を一通り理解した後にいきなりどのドラマでも聞き取れるようになるわけではなりません。ドラマの内容や英語の難易度も考慮して選ぶ必要があります。

今回、「英語耳」になる手助けをしてくれるアメリカのテレビドラマ3選をご紹介します。どれもネイティブの子どもでも理解できる英語しか使われていません。それでも難しく感じるのは、繰り返しになりますがネイティブの発音が聞き取れないからです。そこで、これらのドラマで頻出するフレーズをカタカナ発音法で表記します。それをそのまま読んでネイティブの発音を学んでから、ドラマを見てください。「あ! わかった!」という体験できると思います。

すると、楽しくなって、どんどん英語でドラマを視聴したくなると思います。こうなれば英語は上達します。この「英語がわかった!」という感覚が日本人にはとても大切です。日本人はネイティブの英語が聞き取れないし、話しても伝わらないから「英語ができない」と思い込んでしまっています。でも、ネックになっているのは発音だけなので、カタカナ発音法を学んで「わかった」を実感できれば、メンタルブロックが外れてぐんぐん伸びていくのです。

それでは具体的に紹介していきましょう。

ユーモアたっぷりの雑談に特化したドラマ

1.『フレンズ』
huluで配信中の『フレンズ』
huluで配信中の『フレンズ』(huluサイトより)

まずはこちら! 『フレンズ(Friends)』です。ニューヨークのマンハッタンを舞台に、6人の男女の友情、恋愛、家族をユーモアたっぷりに描いた、90年代の大ヒットドラマです。

私が大学時代に放送されていたドラマですが、毎週新エピソードを心待ちにしていました。どんなに辛くても、『フレンズ』を見ている間は何も考えず幸せになれる、そんなテレビドラマでした。

さて、なぜこのドラマを選んだかと言いますと、20代の友人6人の日常生活を描いたドラマであって、小難しい内容の会話がなく、雑談がメインだからです。刑事や医療系のドラマですと、雑談の上に普段使わない専門用語がたくさん登場するので、フレンズのような雑談に特化したドラマがおすすめです。

今回は、2人の登場人物がそれぞれ頻繁に口にするセリフをご紹介します。

最初の登場人物はフィービーというキャラクターで、複雑な生い立ちですが、非常にマイペースで個性的、そして場の空気を読まない発言をよくしますが、愛嬌のあるキャラクターです。その彼女が何かの頼みを断るときに「I wish I could, but I don’t want to.」と正直すぎて憎めない、ユーモラスな断り方をします。日本語ですと「そうできたらいいのだけれど、やりたくないの」という意味になります。社会人として、「やりたくない」という気持ちをストレートに伝えることはあまりないでしょうが、最初の「そうできたらいいのだけれど」はお誘いを、対立を避けるためにやんわりと断るときによく使いますのでぜひ覚えておくと便利なフレーズです。

アイ ウィシャイッ バイロンントゥ
I wish I could, but I don’t want to.

発音のポイントとしては、「wish I」はつなげて「ウィシャイ」と発音します。

「could」の「d」は直後に一息つくカンマがくるので、文章の最後に来るときの同じように、サッと消して「ッ」に置き換えます。

「but I」の「t」は前後が母音であるため、「ラ行」で発音します。「I don’t」も「d」の前後が母音の音なので「ラ行」で発音して、「ロ」になります。

二人目の登場人物はレイチェルです。お嬢さま育ちでわがままですが、友達思いの優しい一面も持っています。ただ、頭は決して良い方ではないので、時々笑える発言をします。例えば社会人になって働いたことのないレイチェルは「I’m gonna go get one of those job things.」と言います。意味は「みんなが『仕事』って言ってるやつをゲットしに行くよ」と「仕事」というものがどんなものなのかよくわかっていない感が表現されています。

アンガナ ゴウゲッ ワナドーゥズ ジャーブ フィングズ
I’m gonna go get one of those job things.

発音のポイントですが、「gonna」は「ゴナ」ではなく「ガナ」と発音します。「one of those」もつなげて「ワナドーゥズ」になります。「things」の「ティングズ」や「シングズ」よりも「フィングズ」と発音した方がよりネイティブの発音に近いです。