どうすれば英語を話せるようになるのか。『ゼロから12ヵ国語マスターした私の最強の外国語習得法』(SB新書)を書いた語学系YouTuberのKazu Languagesさんは「英語を聞き流すだけではダメだ。英語力を身に付けるには『ネイティブの発音』と『実践的な文法』を学ぶ必要がある」という――。

※本稿は、Kazu Languages『ゼロから12ヵ国語マスターした私の最強の外国語習得法』(SB新書)の一部を再編集したものです。

オンライン授業
写真=iStock.com/Prostock-Studio
※写真はイメージです

文法を最初に学ばないほうがいい

本書では、私が試行錯誤の末にたどり着いた言語学習法をお話ししています。しかし、巷にはあまり効率的でない学び方もあります。今までお話してきたことの裏返しと言ってもいいのですが、それを本項でまとめて紹介したいと思います。

みなさんの中には、ひょっとしたら、言語の文法を知ること自体におもしろみを感じる人もいるかもしれません。

それはそれで素晴らしい素質だと思いますが、「コミュニケーションツール」として言語を捉えた場合、文法ばかり学んでいるとスピーキングとリスニングを鍛えづらいという難点があります。

文法的な正しさに気を取られて、「きちんと文章を組み立ててからでないと発言できない」という現象が起こりがちなのです。相手の言っていることを聴き取る際にも文法が気になるあまり、大意をつかみ損ねることが多くなるでしょう。

すると、どうしてもコミュニケーションは滞ってしまいます。

もちろん、文法的に正しく話せるに越したことはありません。しかし、そのために口が重くなってしまうくらいなら、たとえたどたどしくても、口をついて言葉が出てきたほうが会話は盛り上がります。

最短で語学を身に付ける2ステップ

リスニングにおいても同様です。常に文法が気になっていると、相手の発言でひとつでもわからないところがあったときに思考停止に陥る恐れがあります。そうなるくらいなら「だいたいこんなことを言っている」くらいの理解でよしとしたほうが、瞬時に言葉を返しやすくなります。

ですから、コミュニケーションツールとしての言語を習得したいのなら、いくら文法の勉強が好きでも、あえて「ステップ①ネイティブの発音を学ぶ」「ステップ②実践的な文法を学ぶ」という順序を踏んでほしいと思います。

このように言語を学んでいくと、予想外に早くネイティブと話せるようになったり、その言語でコンテンツを楽しめるようになったりと喜びが広がるでしょう。きっとこの本を手に取って頂いた皆さんにも「この順序で学んでよかった」と思っていただけるはずです。