※本稿は、Kazu Languages『ゼロから12カ国語マスターした私の最強の外国語習得法』(SB新書)の一部を再編集したものです。
そもそも英語は、日本人には難しい
いくつもの言語を習得することはさておき、「まずは、英語を習得したい」という思いで本書を手に取ってくださった人も多いかと思います。
私と同じく「学生時代の英語の授業が楽しくなかった」とか、あるいは「長年勉強したけど、結局は受験対策にしかならなかった」「ぜんぜん話せない英語への苦手意識が拭えない」といった理由で自信を失っている人も少なくないでしょう。
そのような人には、「英語すらおぼつかないのに、『多言語を習得する』なんて遥か遠い世界の話」と思わせてしまったかもしれません。でも、ちょっと待ってください。私が思うに、英語は日本語を母語とする人にとって、実は習得するのが難しい言語なのです。
言語習得の難易度は、「習得したい言語と母語が、どれだけ異なるか」によって決まります。
たとえば「英語を母語とする人」にとって、英語と似ているところが多いオランダ語、スペイン語、スウェーデン語は難易度の低い言語といえます。少しだけ似ているところがあるヒンディー語、タイ語、ロシア語などは難易度が中くらいの言語。まったく異なるアラビア語、日本語、中国語などは難易度が高い言語といえます。
ちなみに私は、まずスペインに対する強い興味からスペイン語を習得する中で、英語も習得しました。学生時代に楽しめず、習得もできなかった英語を習得することができたのは、今にして思えば、スペイン語と英語の類似性のおかげだったとも考えられます。
いったん「日本語に近い」別の言語を学ぶのも手
話を戻します。もうお気付きかもしれません。英語話者にとって、「英語とまったく異なる日本語」は難易度が高い言語。逆もまた然りで、日本語話者にとって、「日本語とまったく異なる英語」は難易度が高い言語なのです。
英語と日本語は、まず使う文字が違います。文字が違えば、似ている単語も存在するはずありません。語順などの文法もまったく違います。さらに、英語は日本語にはない音があるため、日本人は英単語を正しく発音するだけでも苦労します。