例文が載っていない・音声素材がついていない単語帳で学ばない
ステップ①のところで、「単語単体ではなく、フレーズごと覚えることが大切」とお話ししました。
おさらいになりますが、特に学び始めのころはフレーズごと覚えないと、ひとつひとつの単語がどのように使われるのか想像もつきません。いくら単語を単体でたくさん覚えても、それを実践の場で活かすことができないのです。
また、本書のメソッドでは、「ネイティブの発音を聴いて真似て、リスニングとスピーキングを同時に鍛えること」に非常に重きを置いています。
これは、ある程度ステップ①を繰り返し、ステップ②に進んでからもずっと続きます。したがって、たとえ例文が載っていてもネイティブの発音を確認できなければ、意味がありません。
例文がない単語帳、およびネイティブが例文を音読している音声素材がついていない単語帳で学ぼうとすると、本書で最も重視している点に適さない学び方になってしまうのです。
フレーズや単語を「カタカナ読み」で音読しない
日本の教材で、よく外国語の会話文や単語に「カタカナのルビ」が振られているものを見かけます。わかりやすいように見えるかもしれませんが、カタカナ読みでフレーズや単語を音読するのはおすすめできません。
「自分で発音できる音は、聴き取れる」というのが、本書の言語学習法の考え方です。
そこにカタカナ読みが介在すると、どうなるでしょうか。
もちろん、正しく発音できなければ相手に通じないかといえば、必ずしもそうではありません。たとえば英語は、「スペイン語訛り」「フランス語訛り」「ヒンディー語訛り」などさまざまな言語の訛りと共に話されています。カタカナ読みをベースとした「日本語訛り」の英語であっても、たいていは通じるでしょう。
では、なぜカタカナ読みがよくないかというと、正しく発音できることがリスニングの向上につながるからです。
ネイティブの発音を聴いて真似ているうちに、ネイティブと同様に発音できるようになります。そしてネイティブと同様に発音できるようになると、その音が自分の耳に入るため、さらにネイティブの発音を聴き取れるようになります。
カタカナ読みは、この好循環を断ち切ってしまうため、おすすめできないのです。
自分の実力に合わないレベルの教材で勉強しない
使う教材のレベルは、学習者のモチベーションを大きく左右します。
簡単すぎてはつまらないし、上達を感じられない。かといって難しすぎると、ついていけなくて挫折しやすい。ちょうどいいのは「ちょっと頑張れば理解できるくらい」の難易度の教材です。