子どもとの会話が初心者にぴったり
2.『フルハウス』
次は『フルハウス(Full House)』です。
この番組は私が十代のころに放送されていて、コメディーでありながらも家族や友人の大切さ、愛の大切さなどを語る心温まるドラマでした。サンフランシスコに住むタナー夫婦には娘が三人いたのですが、不幸にも妻が交通事故で亡くなってしまい、夫ダニーは親友ジョーイと義弟ジェシーに協力してもらって子育てをする設定です。
家族や友人同士で使う、難しくない内容の会話が多く、また、小さな子どもも登場するのでシンプルな会話もでてくるという理由で聞き取りの練習にはおすすめです。
最初の登場人物は娘たちの父親、ダニーです。真面目で家族思いの性格で、ときによっては親ばかな一面もあります。あるシーンで娘たちの間で問題が起きた時にハグして解決することを提案するダニーは「What do you say, girls? Hug it out?」と言います。これは「どうだい、みんな?ハグして解決しよう?」と言っているのです。ちなみに「What do you say?」は「何を言う?」という意味ではなく、何か提案をして「どう?」と意見を尋ねるときによく使う表現です。この場合はハグして仲直りするという提案に賛成かどうか娘たちに聞いているのです。
What do you say, girls? Hug it out?
まず、「What do you」の「What」ですが、母音の「ワッ」と音を出し、その後に「d」の子音を挟んで母音の「ウ」の音がくるので、「d」をラ行で発音します。これを全部つなげて「ワルユ」と発音すると自然なネイティブの発音になります。「Hug it out」も「Hug」と「it」をつなげて、さらに「it」の「t」の前後に母音がくるので、「t」をラ行で発音します。「out」は、語尾が「t」の場合はサッと消して「ッ」に置き換えることが多いです。
希望を伝える頻出フレーズ「アホウピュァ」
次のフレーズは娘の1人であるミシェルが言うフレーズです。赤ちゃんのときに母親を亡くした末っ子のミシェルは家族全員に可愛がられます。今回のフレーズは「I hope you’re right.」ですが、学校の初日に少し不安げなミシェルにお父さんのダニーが「きっと楽しいよ」という励ましに対して「そうだと良いけど」とミシェルが答えるシーンです。希望を伝える「I hope……」はよく使うパターンなので覚えておくと便利です。
I hope you’re right.
最初の「I」は「アイ」と発音してももちろん良いですが、ネイティブがサラッという時には「ア」だけを発音することも多いです。続く「hope」と「you’re」もつなげて発音しましょう。最後の「right」の「r」は「ライト」ではなく「ウァイッ」と発音するとネイティブの発音にグッと近づきます!