不機嫌にサヨナラするための3ステップ

ここで簡単に不機嫌とサヨナラするために必要な大まかなステップをご紹介したいと思います。

■ステップ1.自分の「不機嫌の芽」を知る
■ステップ2.からだを上機嫌モードにする
■ステップ3.こころを取り戻すわざを身につける
■ステップ1.自分の「不機嫌の芽」を知る

現代には慢性的な不機嫌がはびこっています。

慢性的に不機嫌であることの一番の弊害が、自分が不機嫌であるかどうかがそもそもわからなくなるということ。つねに調子の良くない状態が続いているために、自分にとってポジティブな心身がどういうものだったかわからなくなっているのです。

不機嫌から上機嫌にいたるには、まず自分の不機嫌の芽が出てきたなという瞬間をとらえ、それを芽の時点で摘むよう努めるというステップが必要になります。

これはまさに、自己を客観視する訓練です。

義務教育のなかで私たちは、「登場人物の気持ちを考えなさい」「作者の気持ちを考えなさい」ということを繰り返し訓練させられます。同級生と喧嘩をしたり何かひどいことを言ってしまったときには、「相手の気持ちを考えなさい」と怒られたりもしたでしょう。

しかし、私からしてみれば、まずはもっと「自分の気持ちを考える」ことを学ぶべきなのです。自分の気持ちがわからないままで、どうして他人の気持ちを思いやれるでしょうか。自分について深く知り、細かい状態をモニタリングできて初めて、落ち着いて客観的に言動することができ、相手の気持ちを思いやることができるようになります。

自分自身のパターンを把握しておくと、次に「不機嫌の芽」が出てきたときに「ああ、これはちょっと不機嫌がきているな」と冷静に感じることができるようになります。そして、とりあえずその場から離れたり、不機嫌の芽が頭をもたげるきっかけになった人と距離を取ったり、いったんその問題から間をおいたり、という対応を行うことができます。時間的あるいは空間的な距離をちょっとでも取ることは、不機嫌の芽へのもっとも簡単な対処法なのです。

「不機嫌がきているな」と思ったら、トイレに行くだけでも、人は落ち着くものです。実際に用を足してもいいですし、手や顔を洗ってもいい。元の場所に戻るときには、「あ、自分の中の不機嫌の芽は摘まれたな」と実感できるはずです。