日本酒エキスパート編の第3回。
滅多に手に入らず「幻の日本酒」と呼ばれる酒が、世の中には存在します。そんなとびきり貴重な1本を一緒に飲めたり、贈り物としてもらうことができたなら、日本酒好きであれば最上級のおもてなしになること間違いなし。贈られる側は心底感動してくれるでしょうし、もしかしたら難しい頼み事も聞き入れてもらえるかも。今回は、きわめて希少価値の高い日本酒と、その入手方法についてお話しします。

「幻の日本酒」はなぜ幻になるのか?

「何かこう、手に入りにくい幻の日本酒はありませんか?」

ビジネスの要職にある方々と話す機会があると、こんな質問を受けることがあります。日本酒好きの重要人物を接待、あるいは贈り物をするために、「これは!」と思っていただける候補を探しているそうです。素晴らしい噂は聞くけれど、見たことも飲んだこともない。一杯飲めるだけで、日本酒好きとしては感涙もの。草の根分けてでも探したいが、どこにあるのか見当もつかない。「幻の日本酒」という言葉には、たしかに魅惑的な響きがありますね。

(撮影=小西範和)