世界の株式時価総額が拡大し、この8月末時点で89兆ドル(9400兆円)と過去最高を更新した。世界中で新型コロナウイルス感染が広まるなかで、株式相場を見る限りでは、アメリカと中国の回復力が強まっているように見える。ビジネスマンとしては、この数字をどう捉えたらよいのだろうか。(2020年11月9日レター)
【井上】アメリカの株式時価総額は8月末で37兆ドルに達しました。これは世界全体の42%を占めています。10年前には世界全体の30%ほどでしたが、ハイテク企業の成長とともに上昇し、この新型コロナウイルス危機を経てアメリカ企業の比率がさらに高まりました。中国では新型コロナウイルスから早期に回復したため時価総額の低下は小さく8月末には8.7兆ドル、昨年に比べて40%ほど増えています。ビジネスリーダーの視点としては、このようなマクロの状況をどう見ればよいでしょうか。
【宮内】株式市場の数字は金融情勢に大きく依存しますので、参考程度にとらえておいたほうがいいのではないかと思います。株式市場に限らず、経済指標の数字が動いたからといって、会社の経営方針を変えようと考えたことはありません。そのかわりに、「世界はどのような潮流に向かっているか」といった、大きなトレンドを捉えようとします。
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(聞き手=井上智洋 駒澤大学准教授 構成=久保田正志)


