オリックス シニア・チェアマンの宮内さんが3分間レッスンの読者のみなさまの質問にお答えします。(2020年9月28日レター)

――外資系医療メーカーの経営企画本部長をつとめております。組織で働く以上、あるいは個人事業主であっても、政治は必ず付き物と理解しています。立場が上になればなるほど「政治的に正しい判断」と「信条的に正しい判断」の間で悩む機会が増えてまいりました。基本的には参謀として生きていくのが性に合っていると思いますので、最終的な決断は経営者に任せ、判断材料を提供するスタンスではあるものの、経営陣の判断に戸惑うこともあります。宮内シニア・チェアマンは、これまでさまざまな局面で「政治的な判断」と「信条的な判断」との間で葛藤されてきたかと思いますが、今後キャリアを積んでいくにあたりアドバイスを頂戴できると大変嬉しく思います。

【宮内】「政治的な判断」と「信条的な判断」ということですが、私は実は、あまり意識したことがありません。若いときから、「これは会社にとってプラスかマイナスか」という基準でしか考えませんでした。それも「ただちにプラスになるのか」ではなく、「中長期ではどうだろうか」という視点で考えてきました。

(構成=久保田正志)