ビジネスで利益を上げ続けるにはどうすればいいか。複数の中堅・中小企業やスタートアップの経営をしてきた小松裕介さんは「トヨタが長年にわたり競争優位性を確保できているのは、世界一と称されるケイパビリティがあるからだ。当たり前のことを当たり前に実行するだけでビジネスは成功できる」という――。(第1回/全4回)
※本稿は、小松裕介『1+1が10になる組織のつくりかた チームのタスク管理による生産性向上』(実業之日本社)の一部を再編集したものです。
大企業と中小企業との一番の違いはここ
本稿では、中小企業の組織力獲得の根幹となるマネジメントシステム「チームのタスク管理」の効果について説明する。
私は中小企業の経営の仕事を長らくやってきており、その間で様々な業種業態や成長ステージの会社経営に関わってきた。このようなキャリアのため、上場企業の経営者やプライベート・エクイティ・ファンドの友人からどのように会社経営をしているのかよく聞かれるのだが、決して難しいことはしていない。
教科書どおりの組織論に則って、当たり前のことを当たり前にして、ケイパビリティの獲得をしているだけである。
ケイパビリティとは、例えばスピード、効率性や高品質など、会社が全体として持つ組織的な能力や、その会社が得意とする組織的な能力のことをいう。
チームで働くとは何かについて考えて、しっかりと組織を作れば、あっという間に多くの利益を創出できる会社を創ることができる。
中小企業の企業価値向上を仕事にしてきた私からすると、大企業と中小企業との一番の違いは、当たり前のことを当たり前にできるかどうかにある。

