人が集まると自然に花が咲くのが噂話。もし「悪い噂」が立ったら、どうそれを回避していくのか。逆に、「いい噂」を広めるための必殺技を紹介しよう。

巷の会社には、どんなトンデモナイ噂が流れているのか

「社長と経理のAさんがデキているんだってさ。この前、営業のBさんが銀座で飲んでいたら、帰りがけに2人が仲良く歩いているのを見たんだって。それに打ち合わせと称して、2人はよく社長室にこもっているじゃない。どう見たってあやしいよね」

これは大手電機メーカーの系列IT会社で、誰1人知らぬ社員はいないというくらい有名になっている噂である。

Aさんはアラフォーの独身女性。前髪に紫色のメッシュを入れ、いつも柄物のハデなワンピースを着込み、会社勤めには不釣合いなケバイ雰囲気を漂わせている。一方、40代後半の社長は、現在の会社を本体から独立させた誰もが認めるヤリ手で、Aさんに対する寵愛ぶりを他の役員連中はとがめようともしない。だからなのか、当の2人は平然としている。

噂は人が集まるところに必ずといっていいほど立つもの。それも悪い噂やヤバイ噂ほど人の関心を呼んで、瞬く間に広まっていく。

ある不動産仲介会社の全国各支店の支店長には女性秘書がいて、必ず支店長の“お手つき”になると噂されている。「どうやら会社のトップが秘書との不倫を容認しているみたいだ。きっと自分も支店長時代に同じようなことをしてきたからなんだろう」と中堅の営業マンは顔をしかめながら話す。

一方、マンションを1室仲介すると、3000万、4000万円の仕事になり、それに見合ったインセンティブがつくので、ハデに遊んでしまう営業マンが少なくない。そこで出てくるヤバイ噂が借金に関するもの。キャバクラ通いをしているうちに、お気に入りの女の子ができて、バッグや宝石を貢ぐようになる。やがて自分のサラリーでは間に合わなくなって、サラ金に手を出してしまう……。