「子供がいて幸せ」しか子を持つ理由がない日本
【西田】すでに日本は人口減少の社会に入っています。止めるためには、一人の女性が生涯に産む子供の数を示す合計特殊出生率が、2.06程度に収まる必要があります。しかし、日本全国の出生率は1.20と過去最低を記録、最も低い東京都では0.99。これが僕らの社会の現状です。
【安田】人口予測というのは、経済や社会科学関連の予測の中でも最も当たりやすいと言われてきたんですけどね。出生率や死亡率は急に大きく変わるものではないですから。しかし、近年はコロナ禍の影響などもあって、想定外の変化が見られるようになりました。過去の予測と実際の人口動態を比較したとき、減少が予想よりも早まるというギャップが生じています。
【西田】少子化と高齢化が同時に進む私たちの社会は、非常にしんどい。年金や社会保障の制度は、緩やかな人口の増加を前提に設計されています。このままだと制度が機能しなくなっていく可能性が大きいわけですから。
【安田】ただ、人口減少を一気に食い止めるような政策は存在しません。結局、人々が結婚して子供を持つために必要なのは、将来の経済的な安定でしょう。その見通しが立たなければ、結婚や子供を持つことを諦めるカップルも増えてしまう。
【西田】あと、日本特有の問題として、「就職氷河期世代」の問題がありますね。現在の社会保障の制度の前提がそうであるように、日本では若者が「社会的な弱者」として認識されるのが遅れました。例えば、無業の若者を支援する仕組みが整備され始めたのは第1次安倍政権の2000年代に入ってから。結局、若者をサポートする政策が十分に議論されてこなかったんです。
【安田】就職氷河期世代は団塊ジュニア世代と重なっています。この世代への支援が後手に回ったことで、人口のボリュームゾーンにいた人たちが結婚や出産を諦める、という不幸な状況を生み出してしまったわけですね。
【西田】では、これからの「少子化対策」を考えるとき、何ができるでしょうか。
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