幸福度を左右する「結婚・性別・年齢」の法則
幸福度には一定の法則性があります。
年齢別にみれば、20代など若い層は幸福度が高く、40~50代がもっとも低くなり、60代以降の高齢層になるとまた復活します。男女別では、どの年齢層においても男より女のほうが高く、未既婚で比べると未婚より既婚のほうが高くなり、子無しよりも子有りのほうが幸福度は高い。独身に限れば、恋人有りのほうが恋人なしや恋愛経験なしよりも幸福度は高いものです。しかも、この傾向は、現代でも40年前でもあまり変わりません。
まとめると、もっとも不幸なのは、40~50代未婚男性で、子どもも恋愛相手もいない人ということになります。ただし、中年未婚の恋愛相手なし男性が全員不幸というものでもありません。こうした層でも、打ち込める仕事や趣味がある者はない者よりも幸福度は高く、友人に恵まれていると感じる者のほうが幸福度は高いようです。
何をもって幸福かというのは、かなり個人の主観によるものなので、本来一概には言えないものですが、全体としてこういう傾向が不変であるという点は興味深いものです。
傾向として、「若さ・パートナー・家族・友人・仕事・趣味」などの「何を所有するか」で幸福度が影響されるのではないかという仮説が成り立ちます。
しかし、何かを所有すれば幸福になれるのでしょうか。
「結婚すれば幸せになれる」は間違っている
たとえば「いい学校に入れば(学歴の所有)幸せになれるはず」「いい会社に入れば(キャリアまたは所得の所有)幸せになれるはず」と言われれば、まあ納得してしまうかもしれません。
同様に「結婚すれば幸せになれるはず」という考え方もあります。前述した通り、未婚より既婚のほうが幸福である事実もあります。しかし、果たして「結婚をすれば幸せになる」という因果はあるのでしょうか。
仮に「私は不幸でございます」という不幸オーラ満載の人間が、何かの拍子に結婚したら、その人は結婚しただけで幸せになれるのでしょうか。というより、そもそもそんな不幸をふりまくような人と結婚したいとは誰も思わないでしょう。
「結婚したら幸せになれる」のではなく「元々幸せな人間だから結婚するようになる」というほうが正しいのではないかと思います。結婚という器に幸せという美味しい料理が用意されているのではなく、互いの幸せという食材を持ち寄り、2人でその器に新たな料理を作り出すことが結婚です。つまり、「結婚したら」ではなく「結婚するには」先に個人として幸せであることが前提なのです。