頼みの綱だった若者層も脱落しはじめた、NHK朝ドラ「おむすび」。主演は、2年連続紅白歌合戦の司会を務める国民の顔・橋本環奈だが、「酷い展開」「理解に苦しむ」「ぺらっぺらな内容」「次回予告見ても全然ワクワクしない」とSNS上でネガティブな意見が目立つ。次世代メディア研究所代表の鈴木祐司さんは「相撲でいえば、まだ土俵につま先が引っかかっている視聴者が残っている。土俵の中央まで押し戻されるか否かは、第3週がラストチャンスだ」という――。
2018年11月30日、ソウルで行われた新作映画『銀魂2』のPRイベントに出席した橋本環奈さん
写真提供=Yonhap News/ニューズコム/共同通信イメージズ
2018年11月30日、ソウルで行われた新作映画『銀魂2』のPRイベントに出席した橋本環奈さん

橋本環奈主演「おむすび」の「脱落」現象が止まらない。

筆者は先週、朝ドラ史上まれにみる「第1週で脱落」現象…橋本環奈の「おむすび」が「これから面白くなる気がしない」辛辣理由 「虎に翼」→「おむすび」のギャップが評価にダイレクトに出た PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)で、伊藤沙莉「虎に翼」の後を受けた「おむすび」第1週での脱落現象を分析した。そこでは視聴者たちが、「これから面白くなる気がしない」と辛辣に批判する様も紹介した。

そして第2週。

残念ながら「脱落」は止まらず、このままでは“おむすびコロリンすっとんとん”(※)になりかねない。

※童話「おむすびコロリン」には、転がり落ちたおにぎりがネズミの穴に落ちた後の2組のおじいさん、おばあさんの対応の違いを物語にしたもの。心優しい人には幸運が、欲張りで意地悪な人には悪いことが返ってくるという教訓を得られる。

誰が物語から逃げ出しているのか、今後はどうなのか、各種データから分析してみた。

このままでは話題にすらならない

第1週では朝ドラ史上稀なギャップが「虎に翼」と「おむすび」にあったと指摘した。

法律を軸に社会問題に真正面から向き合うと同時に、弱い立場の人々への配慮も忘れなかった「虎に翼」は、これまでにない朝ドラとして新たな視聴者を獲得した。

ところが「普通の人の普通のお話」から入った「おむすび」は、「虎に翼」が獲得した新たな視聴者を含め多くの人々に逃げられ、結果として両ドラマの視聴率や評価に大差が出た。

【図表】「おむすび」リアルタイム検索のポスト数
筆者作成

「おむすび」第2週もおおむね同じような状況となった。

その結果は、ヤフー・リアルタイム検索のデータに明確に表れている。まずポスト数。第1週の初回放送時に8000を超えていたポスト数は、その週のうちに3000前後まで下落した。それが第2週では、2000台前半にまで後退した。

ポストの内容でも、課題が浮き彫りとなる。

初回こそ7割を超えていたポジティブなツイートは、第1週後半で6割を切るようになった。さらに第2週ではネガティブな内容が半分前後になってしまったのである。否定的な意見をポストした人が、2週間の間に話題にしなくなっている。当然、途中で見るのをやめた人も少なくない。

そして第2週後半でも、相変わらずネガティブな意見が4割ほど続いている。

さらに第3週月曜は、遂にポスト数が2000を下回った。同ドラマが人々の話題にならなくなり始めている様がみてとれる。