人の力を最大限に引き出すにはどうすればいいか。心理学者の内藤誼人さんは「子供というものは、親が期待をかけてくれればかけてくれるほど、伸びていく。そのため少しくらい『親バカ』でいてくれたほうが、子どもの成長を促す。子どもに限らず、人に動いてほしいのなら、相手に思いきり期待をかけてあげるとこちらが望んだ方向に向かってくれる」という――。

※本稿は、内藤誼人『考えすぎて動けない自分が、「すぐやる人」に変わる本』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

ピアノを弾く練習をする親子
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少しくらい「親バカ」なほうが子供の成長を促す

我が子がかわいくてかわいくて、客観的な評価ができずに、自分の子どもは何と素晴らしいのだろうと過大評価してしまうことを、俗に「親バカ」といいます。

一般には「恥ずかしい親」といったニュアンスで使われる言葉ですが、子どもにとってみると、非常にありがたい親でもあります。けなされたり、批判されたりするよりは、ホメてもらえたほうが嬉しいに決まっていますよね。

「うちの子って、こんなにすごいのよ‼️」
「うちの子って、天才なんじゃないかしら?」
「うちの子って、ひょっとして大物⁉️」

そんな風に大きな期待をかけてもらえるのですから、少しくらい「親バカ」でいてくれたほうが、子どもの成長にはとても大きな利益が見込めます。

人間というものは、親が期待をかけてくれればかけてくれるほど、伸びていくのです。

フランスにあるグルノーブル大学のジュリアン・ボワは、平均10.4歳の子ども156名のお母さん(平均38.3歳)に、子どものスポーツの能力を評価してもらいました。

「全体として、うちの子はスポーツ能力が高いと思う」といった質問に答えてもらったのです。

次に、子どものスポーツ能力測定を行いました。立ち幅跳びであるとか、20メートルのシャトルランなどをしてもらったのです。