ルーティンワークにやる気がでないとき、どう取り組めばいいか。心理学者の内藤誼人さんは「締切りや納期があるから、人は頑張れる。どうにもやる気が出ないなら、自分で勝手に制限時間を決めて『タイムアタック』をしてみるといい。たっぷり1カ月はかかりそうな仕事でも、『2週間で何とかならないか?』とゲーム感覚で考えると、仕事が面白くなる。さらに苦しさを乗り越えて自信も高められて一石四鳥くらいのメリットがある」という――。

※本稿は、内藤誼人『考えすぎて動けない自分が、「すぐやる人」に変わる本』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

カスタマーセンターのスタッフと背景の時計
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「自分のため」という理由では本気になれない

昔の人は、とても貧乏でした。戦争に負け、焼け跡から這い上がらなければなりませんでしたので、ほとんどの日本人が貧乏だったのです。

昔の子どもたちは、自分の両親が必死になって働いている姿を間近で見て育ったためか、「いつかは自分がお金持ちになって、親に恩返しをしてあげるのだ」と考えたものでした。

昔のアスリートや格闘家や芸能人は「親にラクをさせてあげるのだ」とか「お母さんを大きな家に住まわせてあげたい」と考えて必死に頑張りましたから、どんな苦しさにも耐えることができたのです。

家族のために頑張るというのは、まことに良いアイデア。

「自分のため」という理由ではそんなに本気になれない人でも、家族のためならば違います。

イリノイ大学のエヴァ・ポメランツは、アメリカの中学1年生と2年生374名と、中国の中学1、2年生の451名に、「自分が大きくなったら、どれくらい親の面倒を見ないといけないと思うか?」と質問しました。

また、それぞれの生徒の学業成績も教えてもらいました。

すると、中国の子どもほど、やはり儒教の影響なのでしょうか、「親の面倒を見るつもりだ」という回答が多かったのです。ここまでは予想がつきます。