どんな仕事でもフットワーク軽く取り組める一流の人は何をしているか。心理学者の内藤誼人さんは「私たちはどんなに面白い作業でも、だれかに強制されたとたんに『カチン』ときて、つまらなくなり不思議なくらいやる気がうせてしまう。そのため上司に何かを命じられるよりも先に、面倒くさいことほど、先を読んでさっさと終わらせるといい」という――。
※本稿は、内藤誼人『考えすぎて動けない自分が、「すぐやる人」に変わる本』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
同じ嫉妬でも良い嫉妬ならいくら感じてもいい
ドイツにあるケルン大学のジェンス・ランゲによりますと、嫉妬には良い嫉妬と悪い嫉妬があるそうです。
良い嫉妬というのは、自分より高みにいる人に追いつこうというモチベーションにつながる嫉妬で、悪い嫉妬は、逆に高みにいる人を自分のいるレベルにまで引きずりおろそうというモチベーションにつながる嫉妬だとのことです。
嫉妬という感情は、ネガティブなものと思われがちですが、良い嫉妬ならいくら感じてもかまいません。
「いいなあ、私も先輩のようにならなきゃ!」
「羨ましいなあ、僕もあの人のようになりたい!」
「私もいつかは憧れの○○さんに追いつくぞ!」
そういう嫉妬心を持つことが大切です。高みにいる人に自分が追いついていこう、という方向に嫉妬の力を使うのです。
ランゲは、ハーフマラソンの大会の出場選手208名、フルマラソンに出場している162名を対象に、自分のライバルに対して良い嫉妬をするかどうかを聞く一方で、各選手の大会における平均スピード(km/h)と最終的なタイムを調べました。
その結果、良い嫉妬をしている選手ほど、スピードもタイムも良くなることがわかったそうです。