年収データは東京商工リサーチ。2012年6月末時点の有価証券報告書を集計。鉄鋼、非鉄金属、金属製品に分類された184社から抽出した。業界トップはJFEホールディングス981万(平均年齢44.1歳、従業員数48人)。粗鋼国内第2位のJFEスチール、商事、エンジニアリングが傘下に。

世界第2位の新日鉄住金が誕生

表を拡大
年収・生涯賃金一覧

毎年、業界が注目する日本鉄鋼連盟主催の新年賀詞交換会。林田英治連盟会長(JFEスチール社長)は2012年の年頭挨拶で、「欧州債務問題の深刻化など海外経済のさらなる下振れや円高の継続、また電力の安定供給に対する不安などのリスク要因もあり、わが国鉄鋼業を取り巻く環境はますます厳しいものになる」と語った。

2011年度の粗鋼生産量は前年度比3.9%減の1億646万トンと、2年ぶりのマイナスとなった。東日本大震災の影響による自動車向け鋼材の需要縮小、大幅減産に加え、「わが国経済のファンダメンタルズを反映しないレベル。企業のコスト削減などの経営努力で克服できる限界を超えた水準」(林田会長)にある歴史的円高、さらにはタイ洪水による輸出不振が追い討ちをかけた。ただ、リーマンショック直後の09年度に10年ぶりに割り込んだ1億トンの大台は2年続けて上回っており、今後は震災の復興需要から回復基調に向かうというのが大方の見方だ。

明るいニュースもある。2011年より準備が進んでいた業界トップの新日本製鉄と4位の住友金属工業の経営統合が最終合意に達し、12年10月1日に新日鉄住金が発足。アルセロール・ミタル(ルクセンブルグ)に次ぐ粗鋼生産量世界第2位の鉄鋼メーカーの誕生である。したがって新日鉄・住金個社での有価証券報告はこれが最後となる。年収は新日鉄592万円、住金618万円。