年収データは東京商工リサーチ。2012年6月末時点の有価証券報告書を集計。電気機器、精密機器、その他製造に分類された438社から抽出した。業界トップはFAセンサーなど計測制御機器を展開するキーエンス1322万(平均年齢34.4歳、従業員数1883人)。

リストラ続出の電機業界の崖っぷち

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電機業界の社員にとっては給与どころの騒ぎではないだろう。2012年3月期の決算は、日立製作所を除く7社が減収、4社が最終赤字に転落した。そのしわ寄せを受けて今、リストラの嵐が吹き荒れている。

最終損益が7721億円の赤字となったパナソニックは、12年10月の「新本社」体制に向けて7000人の本社人員を希望退職や子会社への転籍を含めて大幅に削減するリストラ策を実施。同じく4期連続の4566億円の最終赤字を出したソニーは平井一夫新社長体制の下で数千人規模のリストラを実施している。

業績悪化の原因はテレビ事業の不振だ。一時は急成長の立役者のテレビも地デジ移行やエコポイント「特需」の反動で国内需要が急減。加えて海外市場ではサムスン電子やLG電子の韓国勢との価格競争に敗れ、テレビ事業は全社が赤字となった。

深刻なのはシャープ。約5000人の希望退職募集やシャープ市ヶ谷ビルなどの資産売却を実施する一方、台湾の鴻海精密工業との資本提携で再起を図るが、先行きの見通しは立っていない。

各社の業績悪化が給与を直撃するのは間違いない。電機業界筆頭のソニーの平均年収は951万円。3期連続の赤字にもかかわらず、10年、11年と2年連続で上昇するのは異常だが、11年度も4期連続の赤字決算となった以上、12年はそうはいかない。ソニーの12年度の年間賞与額は155万2000円。前期に比べて約40万円も下がっている。