「無添加化粧品」は本当に無添加なのだろうか。皮膚科専門医の西正行さんは「スキンケア商品の中には『無添加化粧品』と表示されているものがあるが、この基準は42年も前に作られたものだ。つまり、『無添加』であっても危険な成分が含まれている場合がある」という――。

※本稿は、西正行『美肌になりたければ、その肌ケアをいますぐやめなさい。』(自由国民社)の一部を再編集したものです。

手にしたコットンに化粧水をたらす
写真=iStock.com/kokouu
「無添加」であっても危険な成分が含まれている場合がある(※写真はイメージです)

ほとんどすべての化粧品に使われている「合成界面活性剤」

恐ろしいのは、ほとんどすべての化粧品に合成界面活性剤が使われているという事実です。

合成界面活性剤はさまざまありますが、代表的なもののひとつに、ラウリル硫酸ナトリウムというものがあります。

これは非常に洗浄力が強く、また、必要な皮脂まで落としてしまうほど脱脂力が強力、という特徴があります。

確かに泡立ちが良く、使い心地は爽快なのですが、その一方、体に害を及ぼすリスクがあると警鐘をならす識者も大勢います。

「シャンプーで使わない成分」でも化粧品には入っている

なぜなら、このラウリル硫酸ナトリウムは皮膚刺激性があり、また、分子が肌に残留しやすいのです。

泡立ちの良さや洗浄力の強さに加え、原材料が安かったことから、以前は多くのシャンプーがこのラウリル硫酸ナトリウムを使用していましたが、現在は「ラウリル硫酸ナトリウムは危険」と唱える専門家が増えてきたことから、日本のシャンプーに使われることは少なくなってきました。

しかし、シャンプー以外の化粧品は別です。

調べてみると、誰もが知っている有名ブランドのフェイスクリームにも、ボディクリームにも、ハンドクリームにも、さらには化粧水や美容液などの基礎化粧品にも、しっかりラウリル硫酸ナトリウムが使われているのです(図3)。