一方、プレゼンテーションのように時間をじっくりかけて相手を説得したい場合などに効果的なのがSDS法である。

Summary (全体)、Details(詳細)、Summary (全体)の順序で展開する話し方である。

このスキルを生かした典型的な例がテレビのニュース番組だ。初めに今日のニュース項目を紹介(全体)、次に個々のニュースを詳しく伝える(詳細)。そして最後に今日のニュース項目を振り返る(全体)。

最初のSは、話す内容の概要や全体の流れを示す。次のDでは、細かい情報や課題などをじっくり説明する。最後のSでは、これまでに述べてきた内容をまとめ、結論として提示する。

詳細度の違いこそあれ、SDSと3回も同じことを伝えていることがわかる。ポイントはこの繰り返しにある。PREP法と違って手っ取り早くはないが、時間をかけて相手を説得する場面で効果を発揮する。

また、会議に攻撃的・高圧的なメンバーがいると、なかなか言いたいことが言えなくなる。さらに、何かを決定しなければならないような重要会議では、意見が対立することもよくある。

このような場でも、きちんと自分の意見を伝える話し方がある。ポイントは、他のメンバーの権利を侵さない範囲で、自分の権利のために筋を通すことだ。

攻撃的になっても、服従的になってもいけない。相手の立場や意見に理解を示しつつ、自分の意見を率直に言うのである。これが上手なコミュニケーションの姿勢であり、どのような意見対立があっても良好な人間関係を維持できるのだ。