このような場で自分の意見をはっきり述べることができるのがDESC法だ。

Describe(状況・事実の描写)、Express(意見)、Suggest(提案する)、Consequence(結論の提示)の順序でまとめる話し方で、事実や現状を基に、冷静に自分の意見を伝えることができる。

相手から「現状では、うちの部門も手いっぱいで新店舗に責任者を送るわけにはいかない。出店は棚上げしたほうがいいんじゃないか」と言われた場合、まず相手の主張を事実として肯定するところから始める。

D「ええ、おっしゃるとおり、現状のままでは新店舗を見る人材が社内では確保できません。新店舗の運営をアウトソーシングした場合、経費が発生します。その経費は次のようになります」

次に自分の意見を述べる。

E「○○の条件で試算したところ、アウトソーシングの費用は○○円です。しかし、この地域に新規出店した場合の増収見通しは○○円です。したがって、アウトソーシングの費用を差し引いても○○円の利益が期待できます」

このように自分の意見を主張したうえで、提案に持ち込む。

S「そこで提案なのですが、この機会にアウトソーシングしてでも新規出店してはいかがでしょうか。エリアとしても集客は申し分ない物件でもあります」

そして最後に提案を実行すればどのようなメリットがあるのかを訴えます。

C「運営をアウトソーシングすれば、問題なく新規出店できます。当社の中期計画の柱である収益アップの目標にも貢献します」

このように、相手の意見をひっくり返したり、否定したりするのではなく、相手の示した懸念、課題を認め、そのうえで解決策を示しながら、相手の利益や会社の利益につなげていく。こうすれば賛同を得られるはずだ。