独りよがりではない、バランスの取れた意見を作る方法
自分の意見を作るために、「問い」を持ち、「前提」を定義して、「根拠」を作ってきました。
さらに、ツッコミを予想して答えておくと、独りよがりではない、バランスの取れた意見になります。
たとえば、カスタマーサポート部門で働くAさんが、「顧客対応に生成AIを導入すべきだ」という意見を上長に伝えるとします。
前提……Aさんは、日々の対応をする中で、応答が効率化すればより顧客満足度が上がると感じている
言葉の定義……ここでいう「生成AI」とは、顧客の問合せに自動で応答するシステムのことで、「顧客対応」とは、Webサイト上でのチャットを想定している
根拠……生成AIを活用することで、迅速な対応が可能になり、サポートチームの負担が軽減される。24時間対応が可能になるため、顧客満足度の向上も期待できる
ここまで聞いた相手が、ツッコんできそうなことを次のようにあげてみます。
「AIを導入すると、お客様から詳しいご意見を聞く機会が減るのではないか。AIの対応だと企業としての姿勢が伝わらないのではないか」
こうして、ツッコミを想定しておくと、そう言われたときにどう答えるかを準備しておけます。
相手の意見との妥協点(ちょうどいい落とし所)を見つけたり、さらに追加でデータを探しておいたり、AかBかを比較検討した上での、新しいC案を考えたりすることもできるでしょう。
「こう言われたら、こうしよう」を用意しておく
たとえば、今回の場合は、妥協点を探すなら、次のように考えられます。
・チャット対応は、生成AIを導入して24時間対応に。電話を好むお客様には、従来のサポートデスクに電話してもらえるようにする
こうして、ツッコミを先に考えておくと、もとの意見よりも、さらに深く検討した意見が作れるようになります。
プレゼンをしたり、人前で何かを発表したりするときや、またはセールスや接客の場でも、「相手からこういう質問やツッコミが来たらどうするか」をいくつか隠し持っていると安心です。
「なんか言われたらどうしよう」「質問されたらどうしよう」ではなく、「こう言われたら、こうしよう」を事前に決めておく。意見を言うのが怖くなくなるコツです。