同じ事象でも、どの立場から見るかによって意見は変わる

ステップ② 前提を定義する

意見を作るステップ2は、自分の「前提」として、立ち位置と言葉の定義を決めることです。

立ち位置とは、自分は今どこからの視点でものを言っているかを決めておく、ということです。同じ事象でも、どの立場から見るかによって、意見は変わります。

たとえば、「環境問題についてどう思うか」といった大きなテーマも、

「子ども2人を都内で育てている親の立場で考えると」
「会社で、飲食店の支援をしており、現場の人の話を聞いている立場で考えると」

と、自分の立ち位置をはっきりさせておくことで、意見が言いやすくなります。

会議などで、「何か意見はない?」と聞かれて答えにくいときも、自分の立ち位置を決めた上での発言ならハードルは下がります。

たとえば、新商品のスイーツをA案にするか、B案にするかどちらがいいかと聞かれたら、

「スイーツを毎日食べている自分からすると」

「普段はあまり甘いものを食べない自分からすると」と前提を立てたり、

「売上を上げるために、守りの案ではなく、攻めた案が必要というスタンスで言うと」

など、自分の立ち位置を決めたりしておくと、話しやすくなります。

小さなチョコレートケーキを手で取る人
写真=iStock.com/ti-ja
※写真はイメージです

またブログなどで発信をしたり、記事を書いたりするときも、読者にとって、自分はどんな立ち位置でいるかをはじめに決めておくと書きやすくなります。

次のようなイメージです。

・専門家として教えるポジション
・そのテーマについて読者より少し詳しい先輩ポジション
・読者と同じ立場で葛藤したり悩んだり挑戦したりしている同志ポジション

言葉の定義がズレていると、話が噛み合わない

立ち位置を決めるのと同じく、意見を言う前に大事なのが「言葉の定義を決めておく」ことです。

相手と話が噛み合わないときは、たいてい、言葉の定義がズレています。

「新商品について、なんか面白いアイデアを出してよ」と上司に言われた場合。

その「面白い」とはどういう意味か、確認をする必要があります。

「今までにない斬新なもの」という意味かもしれませんし、「納得性のあるもの」ということかもしれません。

相手とすり合わせをしておきましょう。