問いは「質問」であり「問題意識」である
では、どうすれば、自分の意見を持てる人になれるでしょうか。
意見を持つはじまりは、「問いを立てる」ことです。
意見が答えだとすると、問いは「質問」であり「問題意識」です。
たとえば、先ほど出てきた「会社はリモートワークを推進すべきか」も問いです。
この問いを、上司や先輩から言われてはじめて考えるのと、日頃から興味を持ってそのテーマについて考え続けている人とでは、質問をされたときの答えが変わってくるのは当然です。
自分の意見を言葉にして伝えられる人は、日頃から、様々な問いを立てる習慣がある人です。
問いは、「これはどういうことだろう」「なんか違うな」「なんでそう思うのだろう」という「気づき」や「驚き」が出発点になります。
子どもの頃は、何を見ても新鮮で、周りの大人にいろんな質問をしていたはずです。
「月はどうして形が変わるの?」
「あの人はなんで怒っているの?」
「なんで学校に行くの?」
大人になり、経験を積んでいくと、なんとなくわかったような気になって、新しい発見や気づきを感じなくなっていくものです。
何かに気づいても、「そんなこと気にしてもしょうがない」「今考えている場合じゃない」「自分が考えることではない」となかったことにせず、「問い」を立ててみてください。
「そもそも」「AかBか」で考える
ここでは、具体的な問いを5つ紹介します。
たとえば、「幸せ」について考えてみましょう。
1:そもそも(本質・前提)
【例1】そもそも、幸せとは何か?
【例2】そもそも、幸せにならないといけないのか?
2:AかBか(選択肢、比較)
【例1】仕事とプライベート、どちらで幸せになりたい?
【例2】幸せとは、自分で評価するものか?他者から評価されるものか?
【例3】幸せになれる人となれない人の違いは?
3:何のために、どこに向かって(目的)
【例1】何のために幸せになりたいの?
【例2】幸せになったら、何を得られるのだろう?
4:なぜ、何があった(理由・背景)
【例1】なぜ、人は幸せになりたいのだろう?
【例2】あの人は幸せだ、とどうして言えるんだろう?
5:必要条件(何があれば○○と言えるのか)
【例1】どんな状態になれば、幸せと言えるのか?
【例2】何が揃っていれば(満たされていれば)幸せと感じるのか?