訪日客の興味の方向に大きな変化が起きている
日本政府観光局の統計によれば、2024年の訪日外国人客数は、約3687万人と過去最多を記録しました。数年前までのコロナ禍が嘘のように、日本は観光大国へ変貌を遂げ、それにつられるように外国人との接点も増えつつあります。
これからの時代は、流暢に英語を話せるだけでは外国人と心を通わせるのは難しくなっていくと感じています。というのも、昨今の訪日客はリピーターが多く、日本を熟知し始めている傾向にあるからです。SNSによって情報収集も容易になり、むしろ、日本人よりも日本の観光地やカルチャーに詳しい訪日客も散見されるほどです。
そうした状況で、紋切り型のように「日本といえば寿司やラーメンですよ」と伝えても、訪日客は退屈してしまうでしょう。
そこで、本記事では最新の訪日客の旅行スタイルや、海外で話題の日本文化、日本人と交流する際にどのような情報を求めているのかなど、実践的な内容をご紹介します。
まず、訪日客の旅行事情ですが、より目的が明確になってきています。以前は当てもなく旅行するバックパッカーのような方もいましたが、いまは渡航前に綿密なプランを組み立てる方が多いです。そのぶん、訪問先も分散しています。
これまでは冬の時季だとウインタースポーツで有名な北海道のニセコが定番スポットでした。それが、現在は長野県の白馬や野沢温泉、新潟県の妙高高原など甲信越地方も定番になっています。併せて雪山リゾート周辺にある温泉地も人気が高まっていて、山形県の銀山温泉がその混雑ぶりから入場規制を行ったほどです。
10年ほど前までは、公衆の場で裸になることが恥ずかしかったり、湯船に浸かる習慣がなかったりと、温泉地は観光地としては人気が低かった。それが、情報収集が進んで文化として捉えられるようになり、馴染みのない習慣にも挑戦してみようという機運が高まりつつあるのです。
こうした傾向から現在の訪日客の旅行スタイルを紐解くと「観光エリアは多岐にわたり、かつ日本の文化を体験したい」と見て取れます。
ツアーでは、茶道体験や古民家宿泊は昔から訪日客に人気です。ただ、それだけでなく、舞妓の衣装を身にまとって写真を撮ったり、アニメの聖地巡礼をしたりと、よりニッチなコンテンツが求められるようになりました。
そこで、私たちが訪日客と会話するうえで意識したいのは、「知識よりも体験が重要」ということです。言い換えれば、現地の人ならではの感想や口コミといった独自情報です。
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