理由、ファクト、体験談をセットで伝える

ステップ③ 根拠を作る

「それって、個人的な感想だよね」と否定されたり、「根拠は?」と聞かれたりするのが怖い、という声をよく聞きます。

確かに、せっかく考えたことを言ったのに、そう言われて怯んでしまう気持ちはわかります。

でも、とくにビジネスシーンでは、「なぜそう言えるのか」=根拠が必要なのです。

はじめは感覚的に「なんとなくそう思う」でもOK。

そこに、相手が「なるほど」と思うような根拠をつけていきましょう。

根拠があると、意見の信頼性が高くなり、単なる感想を説得力のある意見に変えることができます。

根拠には、次の3つが含まれます。

「理由」=なぜそう思うか(なぜなら)
「ファクト」=裏付け、客観的なデータや情報
「体験談」=具体例やたとえ(たとえば)

この3つが揃うことで、単なる感想ではなく「意見」としての説得力が増します。

「こう言えば」を、その日の帰り道やお風呂の中で口に出す

たとえば、新商品のポスターを決める際、A案か、B案かどちらがいいかの意見を求められた際に「A案がいいと思います。なんとなく、ですけど」では、説得力がありません。

「理由」「ファクト」「体験談」の3つを入れると、次のように説得力のある意見になります。

「A案がいいと思います。理由は、商品の使用後イメージが写真で伝わるからです。

商品特徴を並べたポスターと、商品を使った先の未来に起こる変化を伝えたポスターだと、後者の方が反応がいいというテスト結果が出ています。

たとえば、今はインスタでも、ただの投稿よりも、ユーザーと双方向で交流できるものが主流になっています。A案の場合、これを見たユーザーが同じポーズで写真を撮って投稿しようというような、動機につながるのではないかと考えます」

「いきなりこんなこと、スラスラ答えられるかー!」と思うかもしれません。

スラスラ答えられなかった、と感じたときは、先の記事に書いた「復習」がおすすめです。

もっとああ言えばよかった、こう答えればよかった、と感じた「こう言えば」を、その日の帰り道やお風呂の中で口に出してみてください。

バスルームで水を出すシャワーヘッド
写真=iStock.com/Toru Kimura
※写真はイメージです

次に同じようなシチュエーションが来たときには、前回よりはスムーズに答えられるようになるはずです。