12月のある平日の昼間、JR舞浜駅の構内はこれからディズニーランドへ行く老若男女で大賑わいだった。リーマンショックや東日本大震災が続き、日本の景気が相変わらず低迷するなか、東京ディズニーリゾートを経営するオリエンタルランド(OLC)は、2012年度の予想経常利益が過去最高になる見通しだ。
「当社だけでなく、USJなど、レジャー業界全体で業績は好調に推移しました。スカイツリーの完成なども相まって、震災後の自粛ムードも落ち着ついてきた今、お客様がお出かけになるよいきっかけができたのだと思います。また、当社でも12年7月にできた新しいアトラクションが、お客様のニーズにうまく応えられました」と、同社広報部長・宮内良一氏は話す。
レジャーランドの市場規模は例年6000億円と横ばいの数字が続くが、オリエンタルランドのシェアは50%近くでさらに上昇傾向が続く。一般家庭の消費は落ち込み続けているなか、レジャーに消費を促すカギとは。
「季節ごとに催すイベントや、それに合わせた期間限定グッズなど、来園される度に新しい発見がある施設づくりが重要です。実際、お客様の滞在時間は8.7時間と過去最高に伸びています。また、お客様の楽しみ方も変わり、もっとお客様自身が参加して、キャストと一体感を得られるようなイベントが好評を博しています」
非日常を味わえる感動体験、そのためのイベントやグッズといった大規模なプランニングが今後のテーマパークの重要事項だろう。
(ライヴ・アート=図版作成)