過去の成功体験にしがみつく人はNG

転職業界でよくささやかれる“35歳限界説”。「その人の持つポテンシャルだけで転職できるのは35歳まで。それ以降はバリューや経験がなければ転職が難しくなり、門戸も狭くなる」というものですが、法律によって年齢を求人の条件にできなくなった今でも、実態としては「35歳の壁」が残っています。

ただ、35歳以上でも転職して収入を上げている人は少なからずいます。彼らに共通しているのは、なんといっても、確固たる仕事の実績があることです。ただ、いくら実績があってもそれだけでは弱い。「経験をしてきた事業領域がたまたま成長マーケットで、時流に乗っただけ」とみなされることもあり、高評価の対象になりづらいのです。

企業が欲しがるのは、高い仕事の実績を“継続的”に出し続けている人。昨今はマーケットの変化が速く、社内で通用するコンピテンシー(能力)だけで実績を出し続けるのは難しい。逆にいえば、継続して実績を出すことできれば、「どの環境でも成果を出せる普遍的な能力を持った人材」と評価されるのです。

転職市場では、仕事の専門スキルも評価の対象になります。ただ、それだけで安泰ではありません。マーケットの変化が速いということは、求められる専門スキルもどんどん変わるということ。たとえば、ITエンジニアは1年単位で仕事の内容もどんどんと変わるので、マーケットの変化を予見しながら、新たな専門スキルを身につけることが大切です。

一般のビジネスマンも同じです。2000年前後はITリテラシーを持っていることが、評価の対象でしたが、今やそれらのスキルは当たり前。現在は、多くの企業が海外展開を経営戦略の要に置いているため、語学力や海外関連の業務スキルが重要とみなされています。加えて、海外事業を立ち上げた経験等があれば、高く評価してくれるでしょう。