お騒がせ森口氏の症例は「空想虚言症」
2012年秋、米ハーバード大講師を自称する森口尚史氏が、「iPS細胞の臨床応用に成功した」と発表、メディアで大きく取り上げられました。しかしそれが実は虚偽の発表であり、「大誤報だ」と騒ぎになったのは記憶に新しいところです。
私は森口氏を直接には知らないのですが、その言動を見るかぎり、売名目的で嘘をついたというより、自分で考えだした空想を、自分自身が信じ込んでいたのではないかと感じています。精神医学で「空想虚言症」と呼ぶ症例です。この症例は、本人が自分の作り話を真実であると信じきってしまうことが特徴で、語る言葉に1点のやましさもないために、嘘と見抜くことが困難なのです。
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