金融機関に人生を売り渡すようなことは避けるべき

金融商品は、金利の変化に敏感です。株式もそうですが、思い切りレバレッジ(借入金による取得)を利かせすぎると、いざ相場が下がり始めた時に対応できなくなる危険性が増します。しかも、不動産は株式より流動性が低いため、金利上昇はつらい仕打ちとなってしまいます。

確かに、タワマンは今までかなり高いパフォーマンスを示してきたので、得をした人が多いのは事実です。しかし、どの金融商品もそうですが、これまでの成功がこれからの成功を約束するものではありません。

牧野知弘『なぜマンションは高騰しているのか』(祥伝社新書)
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ましてや、タワマンを金融商品と思わずに買ってしまった、つまりずっと住み続けようとして、しかも過酷なレバレッジをかけて夫婦ペアローンを組むという、人生を金融機関に売り渡してしまったようなパワーカップルがいたとしたら、その未来はとてつもなく不透明なものと言わざるを得ません。

もう一度言います。タワマンは金融商品として扱いましょう。運用期間10年程度の金融商品ですから、金融情勢や社会の変化に対して敏感に反応して期間内で運用する、適切なタイミングで「売り抜ける」ことが肝要となります。

逆に言えば、「住居」として周辺環境や住民同士のいざこざなどを意識することなく、「商品」として冷静に儲かるタイミングだけを見ていればよいということになります。身も蓋もない言い方ですが、これがタワマンのリアルな姿です。

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