新築マンション価格の高騰が続いている。どんな物件が人気なのか。不動産事業プロデューサーの牧野知弘さんは「坪単価1000万円を超えるような超高額マンションがとてもよく売れている。10階未満の低層マンションが多く、コンシェルジュ、ポーター、ドアマンなど人によるサービスを最大の売りにしている」という――。(第1回/全3回)

※本稿は、牧野知弘『なぜマンションは高騰しているのか』(祥伝社新書)の一部を再編集したものです。

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低層の「超高額マンション」が続々登場

億ションが普通のマンションとするならば、超高額マンションとはどのような物件、金額になるのでしょうか。

近時の業界調査レポートでは、坪単価で700万円を超えるものを高額マンションとして扱うようになっています。坪単価700万円ですと、100m2(30坪)で2億円を超えてきます。

2019年1月から2023年10月に首都圏で発売された坪単価700万円以上の物件を一般広告ベースで調べると、その数は101棟になります。さらに、港区三田1丁目で三井不動産レジデンシャルと三菱地所レジデンスが共同開発する「三田ガーデンヒルズ」のように、坪単価が1000万円を超える物件は26棟を数えます。

立地は港区と渋谷区が目立ちます。建物階数で20階以上になる高層マンション、いわゆるタワマンは意外に少なく、10階未満の低層マンションが目につきます。このクラスのマンションになると、住戸面積も比較的広く、100m2を超えるゆったりとしたマンションが多くなります。