セレブたちを満足させる厳重なセキュリティ

実は、超高額マンションの勝負どころは、共用部などの内装です。国内外の有名デザイナーによる設計やデザイン監修を売りにするのは、もはや当たり前。ゆとりのあるエントランス、巨大な吹き抜け空間が広がるロビー周り、きらびやかな照明、ゆったりとくつろげるデザイン家具など、超高額マンションに住む高揚感を余すことなく演出します。

戸数の多いタワマンになると、住民の健康維持に配慮してジムやプールなどの施設を持つところもあります。さらには、ライブラリーやシアタールーム、ちょっとした会議や打ち合わせができるファンクションルーム、最上階にスカイラウンジなどを備えたところもあります。

超高額マンションに住むセレブたちは、安全に関しても厳しい要求をします。二重のオートロック機能はもちろん、多数の防犯カメラの設置、ドアマンの常駐や玄関扉での顔認証システムの採用など、至れり尽くせりです。

ドアマンの手
写真=iStock.com/PamelaJoeMcFarlane
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バトラーサービスを謳う物件が増えている

2017年4月、三井不動産レジデンシャルが分譲した「パークマンション檜町公園」を例に取りましょう。このマンションは非常に防犯性が高く、基本的に各フロア2住戸に1台のエレベーター、いわゆる「2戸1エレベーター」が設置されています。

これ自体は珍しいものではありませんが、各エレベーターには向かい合わせに2つ扉があり、住戸ごとに独立したエレベーターホールがあります。つまりエレベーター待ちで他の住民と一緒になることがないのです。地下の駐車スペースからホールを経て、そのまま住戸にアクセスできるのも売りになっています。

日々の生活においてさまざまなサポートがあるのも、このようなマンションの特徴です。フロントにはコンシェルジュが常駐して来客への対応、荷物の預かりや受発送、クリーニングの預かりなどを受け付けます。最近の超高額マンションでは、これをさらに進化させたバトラー(執事)サービスを謳うところも増えてきました。まるで高級ホテルに滞在しているかのようなサービスを享受できるのです。