大阪人はケチだと言われる。今春、大阪駅直結のフードコート「タイムアウトマーケット大阪」の閑散ぶりが話題となった。その原因は、大阪独特の気質にあるのか。人気サイト「東京DEEP案内」管理人で、大阪生まれの逢阪まさよしさんが現地リポートした――。

「コテコテの大阪」はもう古い

皆様が「大阪」、もしくは「大阪人」に持つイメージというのは、相変わらずテレビに出てくる小うるさい芸人みたいなものか、所謂“コテコテ”と形容される、下品でド厚かましくて、豹柄の服を着たオバチャンみたいなものか、大体そのへんのイメージに集約されがちである。

けれども生粋の大阪人のはしくれとしてハッキリ言わせて頂こう。“そのコテコテイメージ、もう古いでっせ!”と。

かつて1990~2000年代の“暗黒時代”には市政の乱脈により、大阪は財政破綻一歩寸前の状態にまで転落していた。ひったくり・強盗・痴漢の犯罪多発地帯、暴力団だらけの街、ホームレスがそこら中を徘徊し、繁華街は薄暗く小汚いまま。企業の本社も大阪を捨てて東京に移る動きが加速し、本格的に“大阪、もうあかん……”と絶望の淵に立っていた過去がある。

だがそんな暗黒時代も地域政党である「大阪維新の会」が台頭、大胆な市政改革が進められるなどしていつの間にか終わりを告げた。財政破綻の危機は遠ざかり、街中を占拠していたホームレスの小屋は一掃され、古臭いままだった地下鉄も民営化されて見違えるように綺麗になった。

海外からの観光客が大量に押し寄せる国際観光都市としての姿もすっかり板について、昨年に開催された「大阪・関西万博」はその総仕上げとして、“大阪復活”の狼煙を高らかに上げて世界中に存在感を放った。もう大阪は過去の姿とは違うのである。

JR大阪駅を中心とした「大阪ステーションシティ」。ひたすら巨大である
筆者提供
JR大阪駅を中心とした「大阪ステーションシティ」。ひたすら巨大である

再開発が進む「『キタ』の玄関口」

さて、そんな生まれ変わった大阪を象徴するのが、大阪のいわゆる「キタ」の玄関口である「梅田」エリアだ。

JR大阪駅を中心としたこの一帯は2000年代以後から順次再開発が進められ、付随する各商業施設(大阪ステーションシティ)がひしめき合う。

存在感のある大屋根の下には駅ホームを跨ぐ人工地盤が設けられ、南北連絡橋と橋上駅舎が設置、その上の5階には「時空(とき)の広場」と呼ばれるフロアがあり、エスカレーターで昇ってやってくると人工芝とベンチが置かれた空間に沢山の市民が寛いでいる姿が見られる。

大阪駅の真上にこれがある! 時空の広場! ジベタリアン仕放題
筆者提供
大阪駅の真上にこれがある! 時空の広場! ジベタリアン仕放題

都会で人々が寛げるスペースはカネで買うもの。そんな市場原理がすっかり染み付いた東京の人々から見ると、時空の広場のような空間はどのように見えるのだろう。都会の一等地である大阪駅の真上に、市民が一銭の金を払う事もなく好き勝手に“ジベタリアン”をして寛いでいるのは、さぞかし見慣れない光景に映るのではなかろうか。

さらに大阪駅のノースゲートビルディングの11階に昇れば「風の広場」があり、ここでも市民が自由に寛いでいる。そこから階段を上れば13階には「天空の農園」というスペースがあって、いきなり農作物が植えられていたりして拍子抜けする。

都会の一等地でいきなり農園ですか…これも大阪駅の真上にある
筆者提供
都会の一等地でいきなり農園ですか…これも大阪駅の真上にある