育児放棄のろくでなしの母親に代わり祖母に育てられた女性は、中学時代からそううつの症状に苦しみながらも大学を卒業。IT企業に就職すると25歳で結婚した。ある日、がんに罹患した祖母から「私が死んだらママと復縁してあげて」と懇願された女性は、母親に4つの質問をした。それに対して返ってきた言葉とは――。

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パーマを当てている中年女性のシルエット
写真=iStock.com/Koldunov
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大きくなる嫌悪感

関東地方在住の猫田奈理子さん(仮名・30代・既婚)の両親は猫田さんが産まれてすぐ離婚。母親は親権を得たが育児というものを一切せず、外で男と遊んでいた。絶望した猫田さんは中学生になる頃、母親の番号を着信拒否。その後、いったん着拒を解消したが、会うのは年に1〜2回にとどめた。

猫田さんは勉強に専念し、高校は進学校に合格することができた。

担任の教師から三者面談の前に、「お母さんがいるならお母さんに来てもらってください。共働きの方でも皆さん何とか都合をつけてもらって、両親のどちらかに来ていただいてるのでお願いします」と言われる。

やむなく電話で頼むと母親(当時37 歳)は渋々了承した。

ところが、三者面談の当日、約束の時間を過ぎても母親は現れない。携帯電話に連絡すると、怒った調子で「今向かってる!」と言い、やって来るなり怒鳴り散らされた。

「あんたの三者面談のために会社(IT系に派遣社員として勤務)を中抜けしようと思ったら、上司とけんかになって会社辞めることになったわよ! 会社辞めてまで来てやったんだから、急かさないでくれる?」

20代の初めから腎臓病を患っていた母親は、通院や海外旅行で有休を使いすぎて休みが取りづらくなっていた。三者面談のために中抜けしようとしたところを上司に咎められ、カッとなった母親は、「だったら辞めてやるわ!」とたんかを切って出てきたのだった。

「三者面談のことは何カ月も前からお願いしていましたし、通院は仕方がないとしても、休みが取りづらくなるほど有休を使って旅行に行くのをやめたらいいだけなのにと思いました」

これを機に母親は本当に会社を辞めてしまい、八つ当たりのメールを祖母に送り付けてきた。一連の行為に対して母親に怒りを覚えた猫田さんは、母親に電話をかけるとこう言った。

「あんた、お祖母ちゃんに逆ギレして頭おかしんじゃないの? もう私大きくなったし、あんたのことは必要ないから二度と会わなくていい!」

面食らった様子の母親は祖母を悪者にして反論していたが、猫田さんは「頭のおかしい人が何か言ってるわ」と思い、容赦なく電話を切った。