士業以外の女性社外取締役が続々誕生

女子アナに限らず、女性タレント、女性アスリートの社外取締役が増えています。社外取締役選任の理由は、いずれも似たようなものです。

【図表】異分野からの女性社外取締役 一覧表1
筆者作成

女性の社外取締役が不足しており、女性の弁護士、公認会計士・税理士など、士業しぎょうの高度な専門家に白羽の矢を立てました。それでも足りず、女子アナ、女性タレント、女性アスリート、女性の記者・評論家、作家、宇宙飛行士などに声が掛かるようになりました。

【図表】異分野からの女性社外取締役 一覧表2
筆者作成

上場企業は女性の積極登用が急務に

プライム市場の上場企業で、女性の取締役が1000人ほど不足していると言われていますが、それは、株式市場や政府などから要請があったためです。

上場企業への投資環境の整備が進む欧米の動きに応じて、2015年6月に日本に導入されたのがコーポレートガバナンス・コード(企業統治のガイドライン。CGC)。東証一部、二部上場の企業に対して、独立社外取締役を2名以上置き、これを遵守(コンプライ)しない場合は理由を説明(エクスプレイン)することが求められました。

3年ごとに改訂が行われ、2021年6月に東京証券取引所は「改訂コーポレートガバナンス・コード」(2021)を出しました。プライム市場に上場する会社に、一段と高いレベルの取締役会構成の独立性を要求し、「独立社外取締役を少なくとも3分の1以上、必要と考える場合には過半数」という基準が示されました。

従来、東証一部、二部といった枠がありましたが、プライム市場、スタンダード市場、グロース市場に再編され、プライム市場は上場基準や要件が厳しい証券市場です。

改訂コードでは、管理職における多様性の確保、女性・外国人・中途採用者の登用を求めており、取締役会の多様性を促しています。その核になるのがジェンダーの多様性、すなわち女性の登用です。