福原愛氏が上場企業の社外取締役に

卓球Tリーグの「琉球アスティーダ」を運営する琉球アスティーダスポーツクラブは、2021年12月、オリンピック2大会連続のメダリスト、福原氏を社外取締役に迎え入れました。福原氏を選んだ理由は以下の通りです。

福原愛氏は、日本だけでなくアジアでも認知度が高く、卓球業界における豊富な経験と幅広い見識を有しております。

それらの知見を当社の企業価値向上に活かし、かつ独立した立場から取締役会の意思決定の妥当性、相当性を確保するための助言・提言をいただける人材であると判断したため、当社社外取締役に選任いたしました。

福原愛氏の就任により、当社のアジア戦略も加速してまいります。

同社の代表は、ベンチャー企業の支援などを行ってきた実業家の早川周作氏です。「琉球アスティーダ」は、2018年の秋に開幕した日本初のプロ卓球リーグ、Tリーグに参戦しました。最初のシーズンで最下位になり苦杯を喫しましたが、2021年2月にTリーグ優勝を果たし、同年3月に、プロスポーツチームの運営会社として日本で初めて、東京証券取引所「プロマーケット」に上場しました。

プロマーケットは、だれもが投資家として自由に市場参加できるプライム、スタンダード、グロース市場とは異なり、株式投資の知識や経験が豊富なプロ投資家に限定しています。

高層ビルの窓から下界を見下ろしている女性の後ろ姿
写真=iStock.com/champc
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なぜ1年半で辞めてしまったのか

早川氏は「福原さんを将来的には主要な経営メンバーとなるように、育てていきたいと考えています。今の日本の卓球界があるのは、彼女がいたから。僕は卓球とはまったく関わりがなかった人間ですが、スポーツ選手のセカンドキャリアとして、卓球の一時代を作り上げてきた選手が、上場会社の経営に携わって、という1つの形も示したい。これから2、3年をかけて、経営のノウハウもしっかりお伝えしたいと思っています」と高らかに宣言しました。

しかし、1年半後の今年6月、福原氏は社外取締役を退任。就任時やイベントに参加したときはニュースリリースを頻繁に出しましたが、退任時にはリリースを出していません。

チームの一選手が辞めるときはリリースを出し、早川会長がコメントも寄せているのに、社外取締役の辞任という重要な経営マターでは口をつぐんでいます。上場企業として説明責任があるはずです。

福原氏は、なぜ社外取締役を辞めることになったのでしょうか。なお、福原氏は2021年7月に離婚していますが、社外取締役に就任する前なので、それを理由に退任したとは考えられません。

不可解な女性社外取締役の就任、退任のケースは他の上場企業でもあります。インターネット証券最大手のSBI証券を傘下に持つSBIホールディングスです。