会社が嫌なら、嫌な状況から脱することができるか考える

解決の糸口が見つかることなら、悩む意味もありますが、糸口がないことを悩んだら、悩みの堂々めぐりをするばかり。解決できないまま、悩みは深まり、同じ悩みにとらわれ続けることにもなります。

こういった場合、そもそも悩む方向が違うのです。過去ではなく、解決できる悩みに目を転じましょう。

会社が嫌なら、入ったことを悩むのではなく、どうしたらその嫌な状況から脱することができるか、そのことについて悩めばいい。

そうすると、解決の糸口をいくらでも見出せるようになってきます。

取引先の中途採用がどうなっているかを調べる、友人、知人と会って彼らが勤めている会社に転職できないかどうかを聞いてみる、転職情報サイトをとことんあたる、起業について勉強する……。

すぐにはいまの状況が変わらなくても、悩みは行動に直結しています。行動すれば、必ず結果が出ますから、その結果に応じて、さらに解決のための糸口を探ることができます。

行動は、悩みの解決に向けての確かな一歩になるのです。そうして一歩ずつ、歩みを進めていけば、いつかは現状脱出にいたるはずです。

ノートパソコンを操作するビジネスパーソン
写真=iStock.com/Nattakorn Maneerat
※写真はイメージです

恋愛も付き合ってしまったことをいくら悩んでも仕方がありません。修復する手立てはないか、すっぱり別れるか、別れた後どうするか……。悩みどころはそこです。

それらの悩みなら、一度じっくり話し合ってみる、腹をくくって別れ話を切り出す、新たな出会いのための方策を講じる、などの行動につながります。

これもまた、「悩み→行動→(結果に応じての)悩み→行動……」という方式で、必ず解決することができるのです。

悩みの方向を「変えられること」へ向ける

過去と同じように、変えられないことを悩むのも、悩みを深めることにしかなりません。

たとえば、人前に出ると顔が赤くなる人がいます。それが、人前に出るのが恥ずかしい、人付き合いがうまくできない、という悩みにつながっています。

しかし、その人が顔が赤くなることをいくら悩んでも、顔が赤くならない人になることはできません。顔が赤くなるのは体質、あるいは生理現象ですから、当然です。つまり、その悩み方では解決できないのです。

一方、悩み方の方向を、人前で赤くなっても恥ずかしくないようにする、人付き合いがうまくできるようになる、というふうに変えたらどうでしょうか。これは解決策が見つかりそうです。もっとも端的なのがこれ。

「僕は人前に出ると顔が赤くなってしまうんです。気にしないでくださいね」

そう率直に告げられたら、相手は悪い印象を持つどころか、好感を持って受けとめるのではないでしょうか。

相手が受け容れてくれたらこちらが恥ずかしいと感じることもありませんし、顔が赤くなることがその人と付き合ううえでハンディキャップになることもありませんよね。

「私は尊敬する(大好きな、偉い、立派な)人の前に出ると、顔が赤くなっちゃうんです」

これはさらに上級な言い方。相手の心をのぞけば、「そんな、そんな、私ごときで顔を赤くしていただいて、かえって照れるじゃないですか」といった感情が渦巻いているに違いありません。それがこちらに対する好感度をグングン上げることは疑いを容れません。

人前に出るのが恥ずかしい、人付き合いがうまくできない、という悩みはアプローチの仕方によってあっさり解決できるのです。