異性と恋愛したくてもできない人は何をすればいいか。精神科医の和田秀樹さんは「いくら相手のことが好きでも『生理的に嫌』と思われたら振り向かせるのは難しい。恋愛は確率論をベースにするべきだ。『下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる』という日本古来の諺にあるように、異性と出会う機会を100回持てば、1回くらいはヒットが出る」という――。

※本稿は、和田秀樹『「すぐ動く人」は悩まない!』(祥伝社)の一部を再編集したものです。

ハートを狙う指のイメージ
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好きな相手が振り向いていくれなかったらどうするか

心理学者のアドラーも、ハリー・スタック・サリヴァンも、悩みについてこんなことをいっています。

「すべての悩みは対人関係の悩みである」

そこまで断言することはできないかもしれませんが、私も人間関係の悩みは深いものになりやすいし、ともすれば、病的なものにもなり得ると考えています。

その理由は明白です。対人関係の悩みは相手があるため、自分の思いや力、行動だけではどうにもならないところがあり、非常に解決が難しいからです。

では、まずはそんな対人関係の悩みの中でも小さくないウエイトを占める恋愛について取り扱ってみましょう。

「好きな人がいるのに、相手はちっともこちらを振り向いてくれない」

これは、ありがちな悩みです。相手を振り向かせるためのアプローチのやり方はいくつもありますから、いわゆる、手を変え品を変えて何度もトライするのはいい。

しかし、その前に大前提ともいうべきものがあることを忘れないでください。

男女を問わず、生理的に受けつけないという感じを持たれていたら、それを変えるのは、まず不可能だというのがそれです。

たとえば、経済的に豊かになったら、よりかっこよく、美しくなったら、社会的なステータスを築いたら……振り向いてくれなかった相手が振り向いてくれることはあるでしょう。

また、そうなる手立てもある。経済的なことでいえば、死にものぐるいで働くとか、貯蓄に励むとか。美しさでいえば、センスを磨くとか、整形するとか。ステータスでいえば、起業して一国一城のあるじになるとか。

それらが相手を振り向かせる可能性を広げることは確かです。

しかし、「生理的に嫌」という思いの前では、いかにも無力なのも事実。

なぜなら、経済的に豊かな人も、かっこいい人も、ステータスのある人も、ほかにいっぱいいるからです。