自分を高めるより、出会いの機会を増やす

こんなことをいう人がいます。世界中を旅していると、1カ国くらい「おお、なんというイケメン(美人)!」という熱いまなざしを自分に向けてくれる人が大勢いる国があるというのです。

国によって美意識、美的感覚はさまざま、イケメン、美人の定義もいろいろだということですね。

それは人についてもいえることでしょう。これにもピッタリのことわざがあります。

たで食う虫も好き好き」

仮に容姿、性格、境遇に“難”があったとしても、自分を好きになってくれる人がいないはずはないのです。

“もの好きな虫”に出会うための、一番効果のある方法は、出会いの機会を増やすことです。このことに異論を唱える人はいないでしょう。

しかも、もっともラクで、手っ取り早いのがそれなのです。自分を高めるために努力するのがいいのは確かですが、これは一朝一夕いっちょういっせきにはいきません。一方、出会いの機会を増やすことは、現在の素のままの自分でできますし、功を奏したら、素のままの自分を好きになってくれる人と出会えるのです。

たとえば、口が悪くてなかなか恋人ができない人が、それを改めるのはなかなかに大変です。

しかし、異性の中には小気味よい毒舌が好きだという人もいる。出会いのチャンスを増やして、そんな人を見つけるほうが、身についてしまっている口の悪さを改善するより、はるかにラクなのではありませんか?

確率論からいっても、断然、そちらに分があると思うのですが、みなさんはどうお考えでしょうか。

恋愛は満点ではなく、合格点でよしとする

異性と出会い、付き合うようになって、いい関係になっても、それがずっと続くとはかぎりません。ですから、「恋人同士の間柄になっても、どういうわけか長続きしない」といった悩みを抱えている人もいるかもしれません。

そのタイプには共通項があるような気がします。お互いに心から相手を思い合い、いい関係にあるときは、その熱い思いが冷めることはない、という気がするものです。

ロマンチックな日没の時間を過ごすカップル
写真=iStock.com/recep-bg
※写真はイメージです

しかし、人の心は移ろいやすいのです。熱く燃え上がることがあるのと同様、“そのとき”がうそのように気持ちが冷めてしまうこともあるわけです。恋愛が長続きしない人は、それがわかっていない、もしくは、それを受け容れがたいところがあるのではないでしょうか。

お互いの思いが最高潮にあるときを“満点”とすれば、常に相手にその満点を求めてしまう。しかし、それは無理な話です。最高潮に達した熱い思いは、早さの違いこそあれ、冷めてくるのが必然なのです。それは行動にもあらわれます。

毎日くれていた電話の回数がだんだん減ってきた。かゆいところに手が届くほどだった細やかな心遣いがあまり見られなくなった。やさしさが薄らいできた。デートの時間に遅刻するようになった……。

すべて満点からの減点材料ですが、恋愛の中ではどれもが「ある、ある」です。

つまり、そうした必ず起こる変化を理解せず、要求水準がいつまでも満点にあるから、不満や不安が湧いてきて、悩まされることにもなるのです。

減点があってしかるべし、と受けとめていれば、相手をもっと寛容に受け容れられます。

ロマンチックであるはずの恋愛を語るには、あまり適切な表現ではないかもしれませんが、「まあ、こんなものだろう」「この程度の減点だったら、まだまだいいほうだよね」といった、“合格点でOK”とする受けとめ方がいいさじ加減といえます。

それはそのまま恋愛を長続きさせるコツでもあるのです。