仕事も恋愛も失敗したことに悩むのではなく、改善点を炙り出す
そのうえで、二度と同じ轍は踏まないぞ、と自らを戒める。それで次の模擬試験では確実にステップアップがはかれます。悩んだことが活きてくるのです。
悩み方の違いはわかりますね。失敗した結果をただ悩むのか、改善点を見出そうとして悩むのか。どちらの悩み方をするかで、次の結果は大きく変わってくるのです。
そして、これは何も受験勉強にかぎったことではありません。仕事も恋愛も同じです。
失恋して、「またフラれちゃった」と悩んでいるうちは、次に恋愛をしても同じような結果になる公算が高い。だから、ここは次のように悩まなくてはいけません。
「フラれたのは、誠意が足りなかったのかな。それとも、時間にルーズすぎたからか。相手のやさしさに甘えすぎたところもあったかもしれない」
悩んで炙り出されたところは改善点です。そこを改めていけば、次の恋は成就する確率がドンと跳ね上がるでしょう。もう、同じようなフラれ方をする自分とは訣別できます。
同時にいくつものことを悩むことはできない
悩むことばかり多くて、心が安まる暇がない。そんなふうに感じている人が少なくないかもしれません。誰もが知識をたくさん持ち、豊かさにひたって生きているいまは、悩み多き時代だという話はすでにしました。
「(石川や浜の真砂は尽きるとも)世に盗っ人の種は尽きまじ」といったのは、かの石川五右衛門とされていますが、それにならえば、現代は、「世に悩みの種は尽きまじ」の時代ということにでもなるでしょうか。
しかし、森田療法の森田正馬はこんなことをいっています。
「人は同時にたくさんのことを悩めない」と。
つまり、一つの悩みの渦中にいると、そのことばかりに心が占領されて、ほかに悩むべきことがあっても、それが見えないということだと思います。
たしかに、そういうことがある。精神的に落ち込んでいて、そんな自分を悩んでいるとき、ふっと異性がやさしい言葉をかけてくれたりすると、相手に恋愛感情を持ってしまったりすることがあります。
本来、恋愛とか結婚は、相手がどんな人間であるかをきちんと見極めたのちに成立するものであるはずです。
ですから、はじめに人物判定があってしかるべきなのですが、落ち込んでいる自分に悩んでいると、それなしに、すなわち、相手が恋愛するにふさわしい人か、結婚しても大丈夫な人かといったことについて悩むことなしに、そこに飛び込んでしまったりするのです。