「左」と「右」とでは一画めは違う。左は横画が先で、右は左払いが先だ。他にも間違いやすい書き順の字は多いが、中学受験塾代表の矢野耕平さんは「実は絶対的に“正しい書き順(筆順)”など存在しない。1958年に文部省が出した筆順の手引きには『ここに取りあげなかった筆順についても、これを誤りとするものでもない』と書かれている」という――。
※本稿は、矢野耕平『わが子に「ヤバい」と言わせない 親の語彙力』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
「書き順」の強制は時代遅れ?
「ウチの子、書き順がおかしいのが気になります」
これまで保護者から何度かこの手の相談を受けたことがあります。でも、子どもたちだけではなく、大人でも書き順を不得手にしている方が多いのではないでしょうか。
それでは、皆さんがどれだけ「正しい書き順(筆順)」を身につけているかを試してみましょう。次に挙げる漢字を書き順通りに一画ずつ増やしていきながら空欄を埋めていってください。すべて小学生が学ぶ基本的な漢字です。
いかがでしたか。「こんなの簡単だよ」という方がいる一方で、頭を悩ませてしまった方もいるだろうと思います。
それでは、「『正しい』とされている書き順(筆順)」を示します。