プリン体ゼロのビールでも飲み過ぎたら台無し
それよりもアルコールそのものに尿酸値を上げる作用があります。アルコールが分解される過程で尿酸の合成が促進され、さらにアルコールの利尿作用で尿酸が排泄されにくくなるためです。プリン体ゼロのビールでも、たくさん飲めば確実に尿酸値は上がります。
尿酸値を気にするなら、飲むお酒の種類よりも、アルコールの量や、干物やモツなどおつまみとして食べるものに含まれているプリン体の量を注意しましょう。細胞をたくさん摂取すると、プリン体を摂取してしまうことになります。水分が抜けた状態である干物は、少量とるだけでも細胞を多くとることになるため、特に注意が必要です。
尿酸値を上げないためには、厚生労働省が「節度ある適度な飲酒」としている純アルコールで1日平均20g程度(ビール500mL、日本酒1合、ワイングラス2杯程度)を守ることが大切です。
フルーツに含まれる果糖にも注意
アルコールと同様、とり過ぎを避けたいのはフルクトース(果糖)です。果糖はもともとフルーツに含まれている糖分で、これにブドウ糖が結合すると砂糖(ショ糖)になります。清涼飲料水に含まれている果糖ブドウ糖液糖は、果糖とブドウ糖の混合液です。果糖は、尿酸の前駆物質を尿酸に変える代謝を促進するため、多くとると尿酸が増えてしまうのです。果汁100%のジュースやスイーツにもたくさん入っているので気を付けましょう。
フルーツはヘルシーなイメージがありますが、最近のものは甘みが強く、果糖が多くなっています。厚生労働省では、1日200g程度のフルーツを推奨しています。リンゴなら1個、ミカンなら2個、バナナなら1本です。基本的には、1日80kcal以内にとどめるのが目安です。
また、メタボを防ぎ、内臓脂肪を減らすことでも、尿酸を減らすことにつながります。
そのためには食事に注意するとともに、運動も欠かせません。内臓脂肪を減らすのはウォーキングや水泳などの有酸素運動。激しい筋トレをすると尿酸値が上がるので、その意味でも負荷の少ない有酸素運動がお勧めです。
・尿酸というと「痛風」を思い浮かべる人が多いが、高尿酸血症で怖いのは痛風だけではない
・高尿酸血症になると血管の内皮細胞が炎症を起こし、血管障害が進む。内臓脂肪がたまっていると高尿酸血症になりやすい
・高尿酸血症の人はプリン体の1日の摂取量を400mg程度に抑えよう
・メタボの予防・改善、果糖のとり過ぎ防止、水分摂取も重要