※本稿は、和田秀樹『やせてはいけない!』(内外出版社)の一部を再編集したものです。
他人のよさを褒め、自分もしっかりと褒めること
テレビを見ているとやせてプロポーションのいい女優さんやモデルさんがたくさん登場してきます。そんなとき、あなたの中にどのような感情がわきますか?
「ああ、私もあんなふうになりたい」と憧れる。
「私なんてあんなふうになれるはずがない。ああ、ダメな私」と落ち込む。
「どうせ食べたいものを食べずに我慢しているんでしょ、ふん」と嫉妬する。
「素敵だな」と相手の美点を褒める。
これらの感情は人間ですから、あって当然。そんな自分を否定する必要はありません。
これから残された人生を、自由に元気いっぱい楽しむためには、まずはしっかり食べることが何より大切ですが、その前に高齢者専門の精神科医としてみなさんにお伝えしたいことがあります。
他人を羨むのでも恨むのでもなく、他人のよさを褒め、そしてありのままの自分を認めて褒めてください。
それが若々しく元気でいられる第一の秘訣です。
人は褒められて、承認されて輝きます。他人に褒められるのでも承認されるのでもなく、あなた自身が自分を褒めてください。あなたにはまだまだ伸びしろがあります。
「どうせ私は後期高齢者だから、無駄だ」
そんなふうに思わないでください。
残された人生をどんなふうに生きるかを決めるのは、あなたです。
「どうせ私はダメだ」と卑下するか。
「私ってすごい」と自分を褒めるか。
自分をどうとらえるかによって、残りの人生に大きな差が生じます。
「いまの自分が一番」と思うには、自分と他人は別の人間で、まったく別物であることを知ることです。他人と自分を比べても意味がありません。あなたは世界にひとつだけの花なのです。
いまの自分が一番と思うことは、わがままではありません。自分を大切にできる人です。自分を大切にする人が、いつまでも若々しく元気でいられるのです。
自分を大切にしていますか?
自分を大切にするためには、しっかり食べることです。