「それって本当?」と疑う目を持っている
この本を手にとられた方は、物事を自分の頭でちゃんと考えられる健康リテラシーの非常に高い人だと私は感じています。
自分の頭で物事を考えられない人は、医者がいうことやテレビでいっていることを、すぐにそのまま鵜呑みにしてしまいます。洗脳されやすいのです。
薬を飲まないほうが健康を維持できる場合も多いのに、医者のいうことを聞いてずっと出された薬を飲み続けている人が私の周りに大勢います。
昔は、「先生のいうことを聞く子がいい子」でした。しかし、いまはまったく逆です。
「先生のいったことは、本当に正しいのか?」
そんなふうに先生がいったことへの疑いの目を持てる子のほうが、将来的に高い所得を得る可能性が高まる時代になっています。なぜなら科学も医学もすべての学問は、疑う目を持つことで進歩するからです。
卵はコレステロールが高いから食べ過ぎに注意しろだの、食べ順は野菜から先に食べろだの、標準体重のほうが長生きするだの、白いご飯より玄米のほうがいいだの、肉より魚のほうが健康にいいだの、これらはすべてひとつの側面からしか見ていない偏った情報です。
そして、何よりも大事なことは正解はひとつではないということです。正解は、人によって、立場によって、文化によって違います。
だからこそ自分にとって「何が正しいのか?」と問いを立て、仮説を立てたり、新たな課題を発見して、適切な検索ワードで情報をリサーチし、それらの情報を自分の人生で活用できる人のほうが健康を維持できる時代になっています。
「それは本当だろうか?」
ぜひ、こんなふうに目の前の情報に対する疑いの目を持ってください。年をとると前頭葉の萎縮によって頑固になる人も多いのですが、疑う目を持てる人は、頭が柔軟で若さを保てます。
前頭葉の働きが悪くなると、こんなふうな変化が生じます。
・喜怒哀楽が激しくなる
・考えることが面倒になる
・意欲が衰える
・集中できない
人の脳は、面白いもので自分が正しいと思い込んだ情報が自然に目について、その情報が集まるようになっています。これを心理学では「カクテルパーティー効果」といいます。
カクテルパーティーのような騒がしい場所にいても、人は自分の名前や興味関心がある話題は自然と耳に入ってくるという心理効果のことです。
脳がすべての情報をキャッチしていたらパンクしてしまうので、必要な情報以外はシャットアウトしようとする仕組みになっています。
自分が信じた情報だけしか入ってこないのは非常に危険です。若々しく元気な人は、自分の考えとはまったく違う否定的な情報も、柔軟に受けとることができる人です。
健診での適正体重をオーバーしている
40歳以上の日本人35万人の調査データから、長生きしている本当の適正体重をみなさんにお伝えします。
例えば、身長160cmの方であれば、61kg〜69kgまでが「長生き体重(長生きする適正体重)」です。
メタボ健診ではここで示した長生き体重は「肥満」と判定され、食事制限が課される数字です。
これまでの標準体重とするBMIを18.5以上25未満にするなら、47kg〜61kgですから、一番下を目指すのであれば、50kgを切る体重にしなければいけません。
高齢者にも同じ数値を課したら非常に危険です。食べたいのを我慢して、相当に厳しい食事制限が必要になり、低栄養に陥る危険があります。
日本のメタボ対策は、高齢者医療の現場をまったく知らない学者や官僚たちが主導した誤った施策なのです。
あらためて健康診断で示されているなBMI値の判定基準を紹介します。
・標準 18.5以上25未満
・肥満 25以上30未満
・高度 肥満30以上
「長生き体重(長生きする適正体重)」はBMIが24〜27ですから、この範囲にいる人たちに日本の医者は「太りすぎなのでやせましょう」とダイエットを指導しています。
間違った指導によって、「やせなきゃ健康になれない」「私はデブだ」と多くの女性が自己否定し、心身を痛めつけられてきました。
もう一度、みなさんにお伝えします。
身長160cmの方であれば、64kg〜69.12kgまでが「長生き体重(長生きする適正体重)」です。これ以上、やせようと思わないでくださいね。やせたら命を縮めますよ。