基準値が「正常値」とは限らない

いまさらあらためていうまでもないことですが、体重や血圧、コレステロールの値などすべてにおいて、年齢や体質によって人それぞれ異なるのが当たり前です。それが個性です。

健康診断では「基準値」なるものが示されます。その数値を基準にして、医者はあなたの健康を「よい」とか「悪い」などと判断します。そんな数字に惑わされないでほしいのです。

数値がよいから健康とはかぎらないからです。私たちの身体は、その人の身体や生き方に合うように、体内で調整されています。基準も正常もありません。

また、身体の外から受ける環境や内部の変化があっても、体温や血糖、免疫などが一定に保たれるよう身体がコントロールしています。それが生体恒常性(ホメオスタシス)というものです。

それなのに医者は、健康診断で中高年以上の方々をわざと若い人たちの基準値に当てはめて、薬をたくさん飲ませようとします。

頭が痛いときに痛みを和らげるために薬を飲むのはいいのですが(私もよく飲みます)、数値を基準値にするためだけに薬を延々と毎日毎日、飲み続けるのはお勧めしません。

たとえ薬で数値が基準値になっても、それがあなたの「正常値」とはかぎりません。頭がボーっとしたり、だるかったり、日々のQOL(生活の質)が下がってしまうことも多いからです。

「いい人生だった、ありがとう」と満足しながら死ねるか

私がみなさんに願うのは、この本を読んで「ちょっと太め」の人を見たら、「ああ、私もあんなふうになりたい」「素敵だな」と思うようになることです。

ちょっと太めの人は、やせている人よりも長生きで、肌や髪に張りと潤いがあって、エネルギーを脂肪の中に蓄えているので、熱量が高く、元気で活動的です。

やせていると疲れやすく、シワが目立つので老けて見えることも多いのです。私がそのことをずっといい続けてきた甲斐もあって、いまや「ちょっと太め」の方は、みんなの憧れの的になりつつあります。

他人と比較するのではなく、長所も短所も含めて「いまの自分が一番」「いまの自分が好き」という気持ちで毎日を過ごしてください。

晴れた日に小麦畑で両手を広げている幸せそうな若い女性
写真=iStock.com/eclipse_images
※写真はイメージです

「人は人、自分は自分」とスッパリと割り切れると、ストレスとは無縁になり、人生がバラ色になります。

あなたは自分らしく自分の人生を生きていますか?

YES or NO

あなたらしく生きられれば、あなたは人生を全うできます。

人はそれぞれ年齢も体型も性格も考え方もすべて違います。でも、すべての人に共通することがひとつあります。それは、人はやがて死んでいくということです。

最期に「いい人生だった、ありがとう」と満足しながら死ぬか。

自分の生き方に納得できず、さまざまな不満を抱えながら「あのときああすればよかった」と後悔して死んでいくか。

どちらが幸せでしょうか。

もっとやせようとかダイエットしようとか、いまのあなたは十分に素晴らしい。

「幸せ」とは本人の主観です。他人が決めるものではありません。自分がどう考えるかによって決まります。